ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第20回 到津の森公園 「動物の居場所を快適に♪そして引き出される魅力♪~両生類爬虫類~」
①カエルさん宅などの工夫♪
到津の森公園(北九州市)の名物のひとつ、「里のいきもの館」です♪到津の森公園は名物がたくさんですね♪ここを担当している吉森さんの、動物に対する熱意と愛情もハンパなく、常に勉強と実践を続けています♪例えば第2回の記事でご紹介したように、私がチューリヒ動物園(スイス)の取り組みを紹介する講演を聴いて下さり、すぐにヘビさん宅で実践して下さったり♪私が世界一だと考えるチューリヒ動物園のスピリット(動物本位)を、規模は違えど自分にできる範囲で取り入れている吉森さんを、私はひそかに「ひとりチューリヒ動物園☆」と呼んでいます♪そしてこうした取り組みこそが、園館の任務である保全教育だと考えています。それはつまり、「動物本位で動物福祉向上の取り組みをし(選択肢増設)、その楽しみ方を説明することで、動物と一緒に幸せになることを楽しめる人を増やすこと」です★第18回でご紹介した他の動物宅同様、その現場が身近にある幸せと強運を、北九州市中・日本中の皆さんにお伝えできればと思います♪ (全4ページ/2018.3. 20 up)
吉森さんが手作りした、モリアオガエルさんとシュレーゲルアオガエルさんのお宅です★市販の水槽よりずっと広いですね♪
中には、両アオガエルさん用の選択肢が各種用意されています♪その効果で、アオガエルさんのいろんな様子が観察できます♪
人工灯で植物を維持することが難しいそうですが、到津の森公園名物の「バックヤード植木(飼育員さんによる植木育成努力)」で用意し続けています♪
植木鉢で用意された葉っぱを活用しているシュレーゲルアオガエルさん♪
本来は当然ながら自然物に接して生きているので、その感触が体感できて心地よさそうでよかったです♪
植木鉢も活用♪居場所の選択肢が多くて何よりです♪
自然物と同様に人工物も活用することは、動物福祉向上の取り組みとして当然かつ有効です。ですので、世界的にも主流となってきています。
また、なにかにアゴを置くのが好きな動物は多いので、ちょうどいい場所があってよかったです♪
ちなみに写真の方はモリアオガエルさんです♪
モリアオガエルさんは、「水面に突き出た木の上で産卵」します。その状況もちゃんと再現されています♪
そしてカエルさんは、ちゃんと水面上の木に産卵したそうですよ♪本来の行動ができてよかったです♪(今回は孵化には至らなかったので、原因を追究中です。)
前面の一部を黒くすることで、カエルさんたちが隠れられる場所も用意♪見られると疲れたり恐怖を感じたりするので、必須の工夫です♪
さらに目隠し部分を説明に活用!視界に入りやすいです♪来園者に、カエルさんたちを探す楽しみがあることを伝えています♪
こうして動物福祉向上の取り組みを「コンテンツ化(お楽しみ化)」することで、モリアオガエルさんとシュレーゲルアオガエルさんへの関心が高まります♪そして書かれている生態のことも記憶に残ります♪
ちなみに茶色い段々構造は、「平らな部分も好きかも」と考えて、用意したそうです♪さらに、横棒も追加予定♪
居場所の選択肢が多いことは、この限られた空間での一生を大きく左右します♪
マムシさんのお宅です。大変に狭いので、吉森さんはこの何十倍もの広さにしたいのですが、毒蛇さんということでなかなか実現しません。
でも、そのことを本気で悔しがる飼育員さんがいるだけでも、救いと希望があります♪
いつの日かの豪邸実現、ずっと応援しています♪
さらに、野生の毒蛇さんとの付き合い方も、説明で伝えています♪
「ヘビにしてみたら、私たちが山でクマにバッタリっていうのよりピンチなのです。なにせ体のサイズがちがいますから・・・」という説明、分かりやすいですね♪
私たちにできる工夫も書かれています。「まずは私たちが気をつけましょう。私たちだけの地球ではないのです。」は、名言ですね!♪
ウナギさんのお宅でも、熱い説明があります♪それはぜひ現場で読んで頂くとして、水槽の中にさらに水槽があるのは、どういった工夫でしょうか?
ウナギさんたちの間にも力関係があるため、弱いウナギさんたちの居場所として用意しています♪
本来の水槽は強い1名が使っていて、他の方々がこちらで隠れています。左に頭、右に尾、中ほどに体がチラ見しています。
「隠れて心安らかに過ごせる場所」という選択肢は、限られた空間で毎日と一生を生きる園館動物たちにとって非常に重要です。
タガメさんのお宅には、「おへやをたたかないでください」という掲示物が。
水槽を叩かれることは、中で生きる動物にとって大変なる振動と騒音に苦悩させられる大惨事ですので、超大事な掲示物です。
さらに効果的な掲示物を模索していたので、きっと進化していることでしょう♪
「いきものもみんなとおなじです」★このことを心のレベルで理解できる人間を増やすことが、園館の任務です。