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ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第19回 到津の森公園 「動物の居場所を快適に♪そして引き出される魅力♪~哺乳類~
①ワオキツネザルさんの寝室緑化:準備その1

 第1回~第3回に続き、到津の森公園(福岡県北九州市)が再登場です♪到津の森公園では、多くの飼育員さんが熱い努力を続けているため、何度取材をしても追いつきません♪今回も「動物福祉向上の取り組み」という視点での取材です。そのひとつとして、「動物の居場所を快適にする」という取り組みが熱かったのでご紹介♪居場所が快適になるということは、動物たちにとっての選択肢が増えることでもあり、行動が多彩になります。そして、その動物本来の魅力が引き出されます♪そんな動物たちに出会える来園者も幸せです♪「飼育員さんの努力で動物も人も幸せ度アップ」という現場の実際を、ぜひご覧ください♪なお、紹介したいことが多かったため、「哺乳類」と「両生類爬虫類」に分けます(両生類爬虫類の取り組みは第20回で紹介します)。 (全13ページ/2018.3.13 up)

​ まずはワオキツネザルさんの寝室緑化の工夫から♪ワオキツネザルさんは、写真のような動物です♪本来はマダガスカルで暮らしています♪
 動物園や水族館などの動物施設で暮らしてくれている園館動物たちは、寝室で過ごす時間が非常に長いです。開園時間が9~5時の場合、その他の16時間、実に1日の3分の2を寝室で過ごしています。

 その寝室が、枝葉やフィーダーなどで快適さや「すること」があるのか否かの違いは、動物たちの心身の健康に大きく左右します。

​ ということで、到津の森公園の飼育員さんたちも、寝室の状況改善に毎日奮闘しています♪

 いきなり木の上の写真でご登場頂いたのは、飼育員さんの延吉さんです♪

 ワオキツネザルさん・マンドリルさん・チンパンジーさんなどのサルさんたちと、ワライカワセミさんなどの鳥さんたちと、ゾウさんを担当する班の一員です。

​ 写真は、園内の林でワオキツネザルさんの寝室に設置する枝葉を切っているところです。

 枝葉はワオキツネザルさんの暮らしに本来存在するものですので、用意すると「快適さ」や「すること(嗅いだり齧ったり掴んだり)」が増えます♪

 枝葉は、切るのも大変ですが、その後もラクではありません。

​ 写真のように、切った枝葉が途中で引っかかって落ちないこともあります。

 柵を越えたりと、運ぶのも地味に大変です。でもイヤな顔ひとつしないどころか、何をするのも楽しそうで、動物への愛情と熱意が伝わってきます♪

 連絡をしたわけではないのに、同じ班の小林さんがスッと合流!取材のたび、これに驚きます♪

 誰かが何かをしていると、どこからともなく手伝う飼育員さんがやってくるのです♪

 「常に誰かがどこかで仕事をしている」という共通認識があるからこそ、「自分の手が空いたら手伝う」という行動が出るのだと思います♪

 どちらも、当然のことのようで実際にはなかなか見ないことですので、感服しきりです。

​ 枝葉をワオキツネザルさんの寝室に搬入。こうした仕事のひとつひとつが、枝葉という大きくて重くて複雑な形状のものですと、すんなりとはいきません。

 寝室前の通路が枝葉でいっぱいに!これをさらに、広くはない寝室に入れるのですから一苦労です。

​ しかしながら、鉄とコンクリートの構造物の中で、自然物の存在はハッとするほど魅力的ですね♪

​ 小林さんもこの笑顔です♪こんなふうに、飼育員さんたちが楽しみながら前向きに仕事ができることが、動物と来園者と組織の幸せの基盤になると思います♪

​ ちなみに寝室の前に設置されているカゴなどは、フィーダーです。フィーダーについては4ページでご紹介します♪

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