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ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪

第25回 西海国立公園九十九島動植物園 森きらら 「園館での自然療法活用を考える
​①講演・質問タイム・園内♪

自然療法の、園館での活用を皆で検討した取り組みのご紹介です。自然療法家の加藤志乃さんが、西海国立公園九十九島動植物園・森きらら(長崎県佐世保市)で講演と現場アドバイス(2日間)をして下さいました。筆者(つまき♪)は、自然療法家さんも園館動物さんのケアに加わるようになると考えているため、今回はその試金石として、加藤志乃さんと森きららの皆さんにご協力を頂きました。そして、飼育員さん・獣医さん・副園長さん等の皆で、動物さんたちのためにできることを模索しました。森きららは植物園もあるので、自然療法の視点での新たな活用法を植物スタッフさんたちと考える取り組みも行ないました。筆者も、取材だけでなくアドバイスもさせて頂きました。皆で改善策を前向きに考え続ける、幸せな3日間でした。なお、自然療法は安易に真似をしますと危険でもあるため、あえて具体的な方策を書いていない部分も多いです。まずは、「自然療法というものが存在する」ということと、「園館動物さんへの応用・植物園の新たな活用法にも使える」ということを、お伝えしたいと思います。
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 今回はこの2人で森きららに伺いました。加藤志乃さん(右)は、動物さんと人のための自然療法家です。

 自然療法とは、西洋医学のように不調箇所をピンポイントで修復しようとするのではなく、心身や環境など全体的な視点で改善に取り組むものです。

 その手法は、メディカルハーブ、マッサージ、ハイドロセラピー、アーユルヴェーダなどなど非常に多岐にわたります。

 さらにそのひとつひとつに専門家がいるほど奥深いのですが、加藤志乃さんはものすんごい努力と実践を重ね続け、今や海外からも呼ばれる人気講師さんです。

​ ※加藤志乃さんの公式サイトはこちらです

 自然療法は、なじみのない方も多いと思いますが、実は既に多くの市販品が販売されているほど、動物さんたちにも活用されています。

 ハーブ、サプリ、精油など、特に犬さん・鳥さん・ウサギさん・猫さんなどコンパニオンアニマル向けの商品は多いです。我が家の猫さんもクランベリーで結石が改善したことがあります。

 こうした実物や冊子や書籍を目の当たりにすることで、自然療法を身近に感じることができるため、加藤志乃さんはなんと荷物の総量が17kgにもなるほど持ってきて下さいました。

 これだけの実物を一度に見られる機会もそうないですし、プロによる解説付きですので、貴重な学びとなりました。

 1日目の夜、まずは講演が行われました。自然療法を初めて知る方も多いので、基本的な話を中心に、1時間半ほどお話し頂きました。

 また、自分で体感すると良さが実感できて、動物さんたちにも活用したくなるので、体感ワークも重視。ハーブティーを飲むなどして、盛り上がりました。

 参加者は、森きららの皆さんと他園の飼育員さんたちで、計30名近くの皆さんでした。

​ 講演の後の懇親会では、加藤志乃さんへの質問が止まらず、これまた盛り上がりました。プロにじっくり質問できる機会もそうないので、ありがたかったですし、そうした機会を逃さず活かす皆さんも素敵でした。

​ ちなみに自然療法は、漢方と同じで穏やかではありますが副作用等の危険がないわけではありません。ですので園館人さんたちは基本を学んだ上で、専門家との協働をするのが望ましいのではないかと筆者は考えています。

 2日目と3日目は、現場でアドバイスをして頂きました。たっぷり2日間用意しましたが、さすが熱い森きららの皆さん、それでも足りないくらい、飼育員さんや植物スタッフさんから質問や要望を頂きました。おかげさまで、大充実で楽しく幸せでした。

 加藤志乃さんは普段は主に犬さんのケアが多く、園館動物さんに詳しいわけではないからと、「何ができるかを飼育員さんたちと模索する」というスタンスで取り組んで下さいました。

 無線で「今どこですか?次はこちらに来てください」と呼ばれるほど、めいっぱいの2日間を奮闘して下さり、感謝です。

 加藤志乃さんが持っているカゴの中身です。ハーブや精油などが入っています。

 こうしたものも活用して、2日間で12種類の動物さんのケアについてアドバイスを頂いたり皆で考えたりしました(次頁からご紹介します)。

​ そんなふうに、専門家を交えたり、皆で前向きに「できること」を考えること自体が、さらなる前向きさにつながり、園自体の熱量が上がるように感じます。それを体感できた3日間でもありました。

 園内にたくさんあるローズマリーの活用法も、いろいろ教えて頂きました。

 目の前にお宝がこんなにモサモサ生えていたとは・・・これから争奪戦になりそうです(笑)。ただし、持病がある際に注意点の多いハーブでもあるそうですので、要注意です。

​ ちなみに右に写っている方が、今回の機会を作って下さった副園長さんです。犬さんたちと暮らしているので、加藤志乃さん(左)と話が弾んでいました。そうやってまずは身近な動物さんで実感するのもオススメです。

 加藤志乃さんが園内で見つけた、活用できる植物さんたち。自然療法家の目で見ると、森きららの園内はお宝満載だそうです。しかも植物担当スタッフさんたちもおられるので、心強いですし。

​ 動物さんたちへの活かし方や、植物園のイベントとしての応用など、いろんな角度でアドバイスをして頂きました。

 2日目の閉園後、事務所で再び質問タイムを開催しました。市販品や冊子・書籍などはずっと写真のように並べておいて、時間のできたスタッフさんが自由に見られるようにしました。

​ 冊子のどこを読んだら参考になるのかなど、ヒントがあると関心を持ちやすいので、筆者もお手伝いをしました。

 さらに加藤志乃さんは、サンプルとして一部のハーブや精油などをプレゼントして下さりました!

 植物担当スタッフさん(左)も熱心に質問をしに来て下さいました。

 自分が知らないことに対して、前向きな関心を持ち、学ぼうと素直に行動することは、どのスタッフさんにとっても非常に大事で有効です。

 そういうスタッフさんの多い園館は、自ずと前進していくと思います。

 動物福祉向上担当スタッフさんが、キネシオロジーを体験しているところ。筋反射により状態を確認して改善策を模索する手法です。

 筆者もそうでしたが、自然療法は「なにそれ?!」と、正直に言ってすぐには理解できないものもあります。だからこそ、きちんと勉強して資格取得などをした専門家のもとで、自分で体験して判断することが大事なのです。

 自分で体験して、効果を実感すると、「これは動物さんにも有効そうだ」と思えるようになり、どう活用したらいいのかを考え始めます。

 飼育員さんが半信半疑のままでは、動物さんも安心して受けられませんので、まずは自分で体感してみることをオススメします。

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