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ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第25回 西海国立公園九十九島動植物園 森きらら 「園館での自然療法活用を考える
​②キリンさん♪
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 森きららのキリンさんは、イトちゃん(手前)とハヤトくん(奥)です。
 ハヤトくんは①飼育員さん以外の人が得意でない②軟便になることもあるということで、すでに様々な努力をされているのですが、さらに自然療法にできることはないか?と模索しました。

 担当飼育員さん・動物福祉向上担当さん・加藤志乃さん・他園から勉強をしに来て下さった飼育員さん、みなで真剣に意見を出し合う様子も素敵でした。

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​ 大変に真面目で熱くて前向きな担当飼育員さんです。

 持っているハーブはカモミールで、ストレスで弱った消化器系によいそうです。

 カモミールにはジャーマンとローマンという種類があり、イトちゃんもハヤトくんもこの時はジャーマンが好きな様子でした。興味津々でのぞき込んでいて、気持ちの面での刺激にもなったようです。

 自主選択と言って、動物さんも人も、自分の体調が必要とするものを選ぶ能力があります。ですので、選んだものから心身の調子を推測する方法もあります。

​ ちなみにローマンカモミールは、精神にも働きかける効果がありますが、子宮収縮作用が少しあるため、妊娠しているイトちゃんには控えたほうがいいそうです(1回や2回食べたところで危険はないとのことです)。

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​ ハヤトくんの反応を確かめるため、スタッフさん以外は離れました。他園の飼育員さんは、森きららの飼育員さんたちのために録画係もして下さいました。

 こんなふうに皆で協力し合いながら1時間以上、キリンさんたちの心身の健康度アップのために、アドバイスを頂いたり意見を出し合ったりしました。

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 かなり長い間、加藤志乃さんが担当飼育員さんにアドバイスをして下さいました。

 ほんの一部をご紹介しますと・・・

・ローズマリーも循環器系に良い

・ヨモギも健胃効果

・ペパーミントも胃腸が動くので、それが入った飲み水も用意して、動物さんが選べるようにする

・今回紹介したハーブの抗菌効果は、腸内細菌叢のバランスが崩れるほどではない

​・海藻もアミノ酸やミネラルが豊富でオススメ。ウマさん用の海藻サプリもある

などです。ローズマリーとヨモギは園内にすでにあるという点も、オススメポイントです。

 加藤志乃さんは犬さんと猫さんが専門とは言え、代表的な草食動物や鳥類などの基本的な体の仕組みは習得した上でアドバイスして下さっています。

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​ キリンさんの寝室の2階にて。もしここで精油を使用する場合は、濡らしたタオルに1滴たらして隅に設置するといいそうです。

​ 少量かつ隅ということで、動物さんが不要と思った時に離れられるようにしています。

 どの動物さんの場合も同じですが、用意した選択肢を、動物さんが「使わない・避けられる」という状況の確保も重要です。

 また、精油は1日30分~1時間程度と時間を決めて行う(1日中行わない)ことも大事だそうです。

​ 寝室のごはん容器には仕切りがあるので、ハーブ入りとそうでないものを分けて用意して、キリンさんが選ぶということもできそうです。

 寝室を開放してあるので、興味があってやってきたイトちゃん。

 こんなふうに人に興味が持てずストレスに感じることもあるハヤトくんには、カモミールがオススメとのこと。

 ハヤトくんも含めた他の動物さんたちには加藤志乃さんから次のようなアイデアも提示されました。

・ローズマリーやヨモギやレモングラスを手でこすり、その手でマッサージをする

・精油のデイブレンドとナイトブレンドを使って活性する時と不活性の時のメリハリをつける

​ ちなみに筆者からは、キリンさん宅に隣接する浄水システムのモーターによる騒音と低周波の軽減を提案しました。

 ハヤトくんの食事内容についても、意見交換。もちろんすでに飼育員さんたちと動物福祉向上担当さんがいろいろと考えて実践しているのですが、せっかく加藤志乃さんが来て下さっているので、自然療法の視点でも検討。

 ハヤトくんは細いので、脂肪分を多めにしているのですが、腸内細菌のバランスを考えると量が難しいとのこと。

​ 加藤志乃さんがメインで取り組んでいる犬さんの場合、

脂肪分は胆汁で消化するため、胆汁生成力が弱い犬さんの場合は軟便になる傾向があるので、胆汁排泄を活発にするためのハーブを使うなどのケアをするそうです。

 もしくは一回で摂取する脂肪分の量を負担がかからないようにコントロールする必要があるとのお話でした。

 体の作りや栄養素の知識も自然療法の重要ポイントですが、今回はさらに、キネシオロジー(筋反射)も活用してみました。

 担当飼育員さんがハヤトくんと意識をつなげた状態で、現在のハヤトくんに負担にならない脂肪分の割合や、今の食事が体に合っているかなどを、こまやかにキネシオロジーで模索。

 ・・・と説明しますと、まさに「なにそれ?」とお思いになるのも当然だと思いますが、もろもろの結果、ハヤトくんの軟便は改善されました。

 事故予防のために疑うことも大事ですが、筆者は「動物さんに良い」という可能性があるものは、自分で確かめて判断するようにしています。そしてキネシオロジーは有効だと考えています。

 また、エネルギーは目には見えない領域というだけで、量子力学の分野ですでに科学的に証明され、物理学者たちにも認められているそうです。

 今回、動物さんのために、誠実に体験してみたスタッフさんたちの前向きさに、頭が下がる思いでした。

​ 写真からも分かる通り、全員心底真剣で、本当に素晴らしい場でした。

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