ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第25回 西海国立公園九十九島動植物園 森きらら 「園館での自然療法活用を考える」
③インコさん・ペンギンさん・ペリカンさん・レッサーパンダさん♪
視力のないセイコさん(ルリコンゴウインコさん)の状況改善策を、担当飼育員さん・加藤志乃さん・副園長さん・他園の飼育員さんで考えました。
前回の取材時に、お宅の拡張を提案したのですが、見事に実践されていて感服しました。
そこで今回は、新居になじむまでの不安を軽減する方法を加藤志乃さんにアドバイスして頂きました。
環境が変化した際に平常心を取り戻す効果がある、ウォルナットのレメディがオススメとのこと。レメディもエネルギーを活用するものですので、自分で勉強して考えて判断してください。
緊張をほぐしたり、モチベーションアップが期待できる精油、マンダリンオレンジを試してみました。
ブロックなど浸みこむものに1滴たらして、ケージの外に20~30分置きます。ちなみに精油は、安いものではなく、専門店などで扱っている100%天然のものを使用することが絶対条件だそうです。
他の改善策として、セイコさんは口を動かすので、かじるものがあるといいように思います。が、目が見えないためか新しいものが苦手というハードルがあります。
飼育員さんの取り組みは果てしなく続きます。病院棟で暮しているので普段は会えませんが、ぜひ応援してください。
こちらも病院棟在住のキィちゃん(キエリボウシインコさん)です。
キィちゃんのお宅も、大きくなりました!キィちゃんは、副園長さん(写真)のような、好きな人はウエルカムなのですが、そうでない人を見ると興奮したり噛もうとします。
そこで加藤志乃さんから下記の提案がありました。
・ユーカリの精油:キィちゃんの生息地に生えているので
・ゼラニウムの精油:イライラが落ち着く
・ミムラスのフラワーエッセンス:恐怖の対象が判明しているとき
ちなみに加藤志乃さんからの提案は「その動物さんの性格やバックボーン、担当飼育員さんのタイプなど、詳しく話を聞きながら同時に観察して行っている&持って行ったグッズの中のものを優先的に使いながら反応を見ているので、類似している症例でも全く異なる提案をする可能性がある」とのことです。 今回ご紹介している内容は、あくまでも今回のケースに関してのアドバイスになります。
キィちゃんは、好きな人にはなでられるのも大好きです。こうしたうれしい時間に特定の精油を使い、その匂いをかぐと落ち着くようになるという取り組みも提案されました。
実は、キィちゃんはこの日に初めて新居に引越しました。なので飼育員さんが用意した新しい居場所を活用してくれるか、みなでドキドキワクワク観察していたところ、乗ってくれました!
でも、少し壁に近すぎたようなので、飼育員さんがすぐに付け直すそうです。結構しっかり設置しているのに、「すぐ直すからね!」と言う飼育員さんが素敵でした。
キィちゃんの素敵なお姿もご紹介。鳥さんのケアに関しては、加藤志乃さんも応援している「認定NPO法人TSUBASA」と、そこが運営しているグッズショップ「CAP」も参考になるとのことです。
フンボルトペンギンさんは、1名、右足が痛そうで歩く時に少し曲がる方がいるとのこと。
担当飼育員さん・元担当飼育員さん・加藤志乃さん・他園の飼育員さん・筆者のみなで、改善策を考えました。それぞれに得意分野や持っている情報が違うので、非常に有意義でした。
加藤志乃さんから、関節は、オメガ3や6が不足すると炎症するとのことで、サーモンオイルやDHA・EPAオイルの少量活用が提案されました。
他園の飼育員さんからは、摂取量を考える時、食性や体の構造が近いもので見たほうがよいとのアドバイス。体重が近い犬さんなどからの換算より、食性が同じ猛禽類さんの計算に近づけたほうがいいかもしれないそうです。
筆者は、家の猫さんの尿に(油のような)原因不明の不純物が混じった経験から、その動物さん本来の食物に含まれるオイルを優先したほうが安全性が高いのではないか?という話をしました。
マッサージとストレッチのアドバイス中。
フンボルトペンギンさんは、換羽期に1~2週間立ちっぱなしになるそうで、それも足によくないとのこと。
加藤志乃さんからは足浴の提案もありました。ぬるめで、5分程度。がんばりすぎると汗をかいて冷えてしまうそうです。足浴にローズマリーを活用するのも良いかもとのこと。
さらに、レンジで温めたタオルを当てたり、ヨモギを蒸したものを当てるのも、関節にいいそうです。
マッサージやストレッチは、加減やスピードが重要なので加藤志乃さんが飼育員さんに実際にやってみることで伝えました。
他園の飼育員さんからの「ここ、すごく寒いですよ」の一言で新たな現状把握も生まれ、みなで寒さ対策も考えました。
防風板・小屋・暖房ライト・湯たんぽなど、みなでアイデアを出し合う楽しい時間となりました。ホットスポットができると関節にもよさそうです。
写真はキャリーケースに入る練習の様子ですが、寒さを逃れる場所としてもキャリーケースは使えそうです。
自然療法では、温めるために赤い色を使うので、その設置も提案されました。ただ赤い色は闘争心にもつながるので、ペンギンさんたちが選べるようにすることがオススメとのこと。
ペリカンさんとコクチョウさんのお宅です。コクチョウさんがハゲてしまったとのことで、フラワーエッセンスのウォルナットとレスキューナイトが提案されました。
フラワーエッセンスは、花のエネルギーを水に転写したもので物質は含まれないので、必要のない動物さんが飲んでも無害なものです。
エネルギーの話も、理解するには知識や経験が必要な世界だと思いますが、興味のある方は自分で勉強したり体験してみてください。
筆者としては、フラワーエッセンスやレメディに関しては、世界中でこれだけ市販・活用され続けているということと危険性が低い点を重視しています。エネルギーの活用については、自分でレイキ(気功のようなもの)を使い続けている経験から、動物さんにも有効であると考えています。
レッサーパンダさんの親子。子どもさんが過活動ではないか?という心配があったそうですが、まだ幼いということで、精油等を使ってのんびりモードにする必要はないと判断しました。
飼育員さんは毎日真剣に観察とケアを行っているだけに、いろいろと心配になることも多いと思います。そうして事故や病気などを常に想定することも非常に必要なことです。
一方で、心配しすぎるとそれが動物さんに伝わってしまったりもするので、複数の立場やメンバーで意見を出し合うことも必須で有効だと思います。
「心配しろ」とか「心配しすぎるな」とか、飼育員さんは本当に大変と言いますか、高度な専門職であると改めて痛感します。