ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第25回 西海国立公園九十九島動植物園 森きらら 「園館での自然療法活用を考える」
④ライオンさん♪
アサヒくん(20歳)です。ライオンさんの寿命は15歳と言われているので、ご高齢です。
しかしながらさすが森きらら、「高齢だからといって決して諦めない」を合言葉に、様々なケアを実践しています。
アサヒくんは、チーターさんと交代で運動場に登場するため、会えない時もあります。そんな時も、寝室でもハズバンダリートレーニングなどでケアを行っています。
ネコ科動物さんと言えばマタタビですが、マタタビは中毒性が強いため、似て非なるキャットニップというハーブがオススメです。
アサヒくんにも用意してみましたが、たまたまお肉を食べた直後だったこともあり、興味がわかない様子でした。
以前に飼育員さんがマタタビを試した際にも興味がなかったそうです。当然ながら動物さんごとに好みや体質が違うので、それが理由かもしれませんし、タイミング的なことかもしれません。
園館動物さんのケアは、一生、あの手この手を模索する必要がありますので、それに向き合い続けている飼育員さんたちの応援も必須で有効です。
園館動物さんは本来の運動量ほど体を動かす機会がなく、筋肉が落ちやすいです。
そこでアサヒくんの筋肉量を増やすべく、「アサヒくんが走る機会を作る」という取り組みを開始しました。
アサヒくんの右にある柱がスタート地点です。「そこにスタンバイする→走る→お肉を食べる」という流れを、ハズバンダリートレーニングで形作りました。
飼育員さんが、笛で合図を送ります。アサヒくんも楽しく行なっている様子が伝わってきて、心身ともに良い影響があるように感じます。
筋肉がつくように、狩りをする時のようにしっかりと筋肉を使った走り方になるようにしているとのこと。
取り組みを始めて約1ヵ月ですが、写真で比べても違いが分かるほど下半身がしっかりしてきました。噛む力も増えるそうですし、食欲は過去最大だそうです!20歳ですよ?!やはり最後まで諦めないほうがいいですね。
毎日1~3回走るようにすることで、水分摂取量も増えました。ネコ科動物さんに水を飲んでもらうのが結構大変であることは、家で猫さんと暮らしている方ならよくご存知だと思います。
「次の合図はなにかな~?」と、飼育員さんに注目しています。このように体だけでなく頭や心も使う機会が増えて、心身の健康度アップにつながっています。
取り組みが終了して飼育員さんが去っていく時、後を追い、飼育員さんが行ったほうを見つめたまましばらく立っていました。それくらい、アサヒくんにとってポジティブな時間だったのだなぁと、うれしかったです。
加藤志乃さんからは、トライプ(内臓)の摂取と、マッサージのアドバイスがありました。
マッサージの力加減とスピードを、飼育員さんに実感してもらうことで伝えます。
また、腰の百会というツボを温めるといいそうで、ハーブボールを当てる・押す・暖房ライトを使うなどの方法があります。
さらに、自然療法の視点でできることの相談タイムが続きました。教わったことを実践するかどうかはもちろん飼育員さんの判断ですが、専門家から学べる機会を逃さず活かすことは、すべての飼育員さんにオススメします。
アサヒくんが走る機会を作るハズバンダリートレーニングの動画(まだ取り組みの途中段階です)は、こちら↓。