ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第25回 西海国立公園九十九島動植物園 森きらら 「園館での自然療法活用を考える」
⑤ワオキツネザルさん♪
ワオキツネザルさんです。マダガスカルで暮らす動物さんです。
男性のワオキツネザルさんは、木などに匂いをつけて、縄張りのアピールをします。
ということは精油など、香り成分を応用した自然療法に関心を持ってくれそうでもあります。
ちなみに背後に見える小屋は暖房スポットです。
こちらでも匂い付け。ワオキツネザルさんにとって匂いが重要な要素であることが、行動からも分かります。
自分で付けた匂いを確認中。
精油を1滴浸みこませたブロックを置いてみましたが、出てきた2名は全く気付かず。
使用した精油はイランイラン。南国系の花の香りで、イライラや警戒心に作用するものを試してみました(不仲な方たちがいるということで)。
少しして気づいて興味を示しましたが、短時間で終わりました。しかしながら香り刺激は一瞬にして大脳辺縁系に到達し、情動に働きかけるとのこと。短時間でも興味を持って香りを嗅ぐことが脳への刺激となり、精神面に影響を与えるそうです。
本来の生息地の匂いに反応する可能性があるため、マダガスカルに生えているバニラを試してみることが加藤志乃さんから提案されました。温室で栽培しているので、それを少しとってきて置いてみたらどうかとのアドバイスでした。
いろんな匂いが満載であろう加藤志乃さんの道具カゴに興味津々です。
何かに興味がわくということ自体、心身の健康度アップにつながるので、香りの刺激も有効そうです。ただしもちろん、用いるのは化学的な香りではなく100%ピュアなもののみです。
加藤志乃さんが持っていた、バレリアンのグリセリンチンキにはさらに強い興味を示していました。
グリセリンチンキは精油よりもずっと作用が弱く、犬さんや猫さんの場合は原液で飲用できるものだそうです。
まだ確認したいくらい興味がわいたようです。
ちなみに当然のことではありますが、このようなことをマネすることは決してしないでください。この場面では、担当飼育員さんと副園長さん立会いのもと、プロが行なっています。
香りは各種成分を含み、副作用の可能性もあるものですので、マネは厳禁です。
副園長さんに登って、カゴを確認中。香りによる刺激がワオキツネザルさんにとってポジティブなものである印象を受けました。
ワオキツネザルさんの運動場には、様々な植物が生えていて、その香りや触感も良い刺激になっていそうです。
加藤志乃さんによると、セイタカアワダチソウやヨモギなどが見られ、どちらも薬効の高い優秀なメディカルハーブだそうです。
こうした植物の成分や効能を確認することで、ワオさんが活用していた場合の理由が推測できることもあります。
ただ、植物の数は非常に多く、学名まで確認しないと種類を間違える恐れがあるため、専門家のサポートが欲しいところです。
寝室にも、暖房や複数の居場所などの選択肢が用意されています。
この寝室は狭くて香りがこもる可能性があるため、精油の使用には向いていないという判断でした。
自然のままの枝を設置する方法として、参考になるものです。角材を使って立つようにしています。
自然のままの枝は、触り心地や香りが心や体の良い刺激になると思います。まさに、自然の力です。
飼育員さんのイラストの上手さにびっくりです。正面から動物さんを描くのって、難しいんですよ。
ちなみに毎日12:00~12:30の間、ワオキツネザルさんの運動場に入ることができます。ぜひ礼儀正しく過ごして、ワオさんにとってポジティブな刺激になってください。
化学的な香り(香水や香料洗剤など)が服やカバンや体に付いていないようにする準備もして頂けると、ワオさんはより安心でうれしいと思います。