ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第25回 西海国立公園九十九島動植物園 森きらら 「園館での自然療法活用を考える」
⑥ナベヅルさん・クロハゲワシさん・ツシマジカさん♪
ナベヅルさん宅前で、相談タイムです。加藤志乃さんから提案のあった香りを皆で体感します。
鳥さんに香りのあるものはNGという話を時々聞きますが、それは勉強不足からくる部分もあるそうです。
また、NGと言いながら、科学的な芳香成分が強く含まれる商品(洗剤など)を使っている人も多いので、そちらのほうが要注意とのこと。
生息地の植物からは様々な香り(ピュアな香り)が出ています。例えばナベヅルさんはヨシで巣を作るので、ヨシに含まれる成分を調べて、同じ成分の香りを活用するのもひとつの方法だそうです。
また、コンパニオンバード界では香りを正しく安全に利用することでストレスによる毛引き行動の緩和や免疫力アップに役立っている症例もあるとのこと。
ちなみに写真の飼育員さんも熱心で、森きららの盛り上がりを感じます。
ナベヅルさんは、寝るのも巣を作るのも水の中です。今はこのサイズの水場しかないため、別の場所に大きめの水場を作る予定だそうです。
現状でできることとして、ナベヅルさんは非常に警戒心が強く、飼育員さんやお客さんをストレスに感じてしまうこともあるため、下記が提案されました。
・パニックを鎮めるフラワーエッセンス
・恐怖をやわらげるフラワーエッセンス
・緊張をやわらげる香りの蒸留水
ナベヅルさんのお宅には落ち葉プールもあり、ミミズさんを入れることもあります。本来の食事内容と食べ方を用意することは、非常に重要なポイントです。
ナベヅルさん宅は2部屋構造です。それを活かして、飼育員さんが出入りする際の不安度を下げるアイデアが、他園の飼育員さんから出されました。
ちなみにお隣はフラミンゴさんで、食事内容を改善したいとのことでしたので、筆者にできることとして、他園の飼育員さんたちと情報交換ができるようにしました。
こんなふうに、様々な立場の皆で協力し合う仕組み、とても有効だと感じました。
クロハゲワシさんのワカコさんです。ハズバンダリートレーニングにより、少しでも飛んで移動するなど、様々な行動を引き出しています。
ハズバンダリートレーニングにより、足を預けることもできるようになっています。
以前は飼育員さんが近づくこともほぼなかったそうですが、見違えるようです。
体の状態など、確認できることも増えたことでしょう。
胸の部分を触ることもできます。猛禽さんは、ここを触ることで、痩せているかどうかを確認することができます。
羽で外見からは分かりにくいことですので、大きな前進です。
別の担当飼育員さんが、精油を少し試しに行って下さいましたが、ワカコさんは興味がないようでした。
クロハゲワシさんは日本に迷鳥として飛んでくることもある動物さんですので、その行動範囲の草木の香りなら安全性が高いと考えられます。興味がわくか否かは、当然ながらその時の気分や体調にも左右されます。
飼育員さんは、運動のために上下移動もしてほしいと考えています。
どうしたらワカコさんがそうしたくなるのか、様々なことを考えているところです。
様々な種類の枝葉を用意してみるなどのアイデアが出されました。
ワカコさん宅の地面に生えている草を自分で採取して巣材にすることがあるそうです。
その行動が増えますと、心身の刺激も増えそうなので、香りを活用して関心を持ってもらえないか?と考えたのですが・・・この日はワカコさんの興味がわく香りはないようでした。引き続き、ヒバの香りを試してみるという事です。
飼育員さんたちによって引き出されたワカコさんの魅力の数々は、ぜひ現場で直にご確認ください。
ツシマジカさんに、副園長さんがマッサージ。加藤志乃さんに、マッサージの力加減やスピードを教わって行なうと、ツシマジカさんはうっとりしていました。
当然ながら、こうした取り組みを行えるのは、園の方のみです。くれぐれも安易にマネをしないように。
飼育員さんや副園長さんがマッサージをしている場面に遭遇できたらラッキーということで。そして皆さんの取り組みを応援することこそ、動物さんのためにお客さんができることですので、そちらをお願いいたします。