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ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
002-4 到津の森公園 「説明と選択肢(里のいきもの館)」~その他の説明~

 「里のいきもの館」担当の吉森さんの素晴らしい工夫、もうひとつは「説明」です☆

 園館は、動物のことを伝える施設です。そして動物のことは、愉快な気分にはならない問題も多くあります。でも、そこを伝えてこそ、園館に存在意義があるのです♪動物に関係する多くの問題を、皆で知って共有して解決策を考える、そのきっかけになってこその、園館なのです♪

 しかしながら実際は、表面的な、明るい話題しか伝えたがらない場合が多いです。そんな中、一生懸命に考えたことが伝わってくる文章で、「伝えるべきことを伝えている」「来園者の意識と行動を変えようと(それが園館の任務です)、本気で説明に取り組んでいる」のが、吉森さんのすごいところです♪世界レベルの説明ですし、その意識の高さと熱意と心意気に、胸が熱くなります

 たとえば写真の、スポテッドガーさん(細長いお魚さん)宅にある説明は・・・

​ その生き物(この場合スポテッドガーさん)の、生態が必要とする選択肢を用意することの難しさを分かりやすく説明することで、安易な購入にストップをかけています♪このサイズで総重量250kgだそうですよ!具体的な数字でますます分かりやすいですね♪

 エキゾチックアニマルの安易な購入問題は、本来なら国が法律などで規制をかける問題ですが、吉森さん、がんばっています!

 さらに、「長生きする本当にいい魚なので大事に飼育してあげて下さい。」という一文に、さらなる覚悟の必要性の訴えと愛情を感じます♪命に対する責任や愛情を伝えていて、まさに園館の任務を果たしている説明です♪

​ スポテッドガーさんの説明は、さらにあります♪このたたみかけ具合が、本気度を伝える役目も果たします♪なので私も何度でも言いますが、園館の任務は、「説明」することで来園者の意識と行動を変えること。海外の園館は、動物宅の周囲が説明だらけのところだってあります。本気だからそうなるのです♪

 この吉森さんの説明の、「今から飼おうと思っている人は本当に最期まで飼育できますか?すでに飼育している人は水槽を大きくする計画を十分にたてましょう。」という文章は、ソフトに危機感を伝えていて素晴らしいです♪

 たとえばシンガポール動物園などでは、もっと厳しくハッキリと、「エキゾチックペットにNOと言おう!」という標語とともに、売買されるためにむごい扱いを受けたり密猟・乱獲される動物たちの悲惨な写真まで園内各所に掲示しています。そうして来園者(市民国民)の意識と行動を変えることが、園館の役割であり存在意義だからです。

 これは、通称ウーパールーパーさんの説明です。完全にモノ扱い的に大量販売されているのに、野生では絶滅が心配されているとは!珍しい動物を所有していることを自慢するのではなく、困っている動物の力になっていることを自慢できる人を増やさねばです。

 また、この説明のいい点は、「手書き」ということです♪なぜか統一デザイン(印刷)へのこだわりが強い園館もありますが、来園者はそんなこと気にしていないので、お金は別のことにかけてほしいです♪

 それに、人の脳は「まっすぐなものより、ゆがんだものを認識する」のです♪、その理由を自分なりに考えるに、自然界には直線がないからかも♪ということで、手書きは大いに引力があり、速報性も持てますし安くできて、いいことだらけです♪

 字や絵が下手でも、それでも飼育員さんが伝えたかったことって?と、熱意がダイレクトに伝わってくる魅力もありますし、字も絵も少し下手くらいが親近感もあります♪

 この、Q&Aコーナーがまた素晴らしいのです♪来園者からの質問と、それに対する答えが掲示してあります。

 子どもからの質問が多いですが、だからこそ直球で、かえって難しい質問も多く、全部にこたえるのは地味に大変な作業だろうなぁと感心します♪

 他の人の疑問を知ることで、「言われてみれば、それ気になる!知りたい♪」と、知的好奇心の幅も広がります。

 感動した答えは、「なぜムカデのような気持ち悪いのを飼っているのか」といった質問に対し、「気持ち悪いですか?この形で生き残ってきたんですからムカデにとっては素晴らしい形なんだと思います。いろいろ知ってもらいたいので、気持ち悪いと言われるものも展示します。(原文はひらがな)」!!

 視点や価値観まで含めて、この世の多様性を伝えていて、心底感服しました♪

 最後の写真で、ようやくご本人登場♪しかもブレてますが(^^;)、シャイで謙虚な人なので、これくらいのほうがいいかなぁと♪

 そして何をしているかというと、他園の飼育員さんに「説明」しているところです♪飼育員さんたちは、こうして互いに勉強しあって精進しています♪表からは全く見えない努力だと思いますが、素直に人に教えを乞える・教えられる飼育員さんたち、素晴らしいです♪

 園館は、こうした飼育員さんたちの日々の努力によって支えられています。もちろん、もっと見えないところにいる、事務方のスタッフさんや運営側の人たちもいます。そして動物たちとお客さんたちがいます。この、園館に関わる全員で、一緒に幸せになるというイメージを持って頂きたいです♪

 という園館活性の取り組みに有効なのが、「飼育員さんの工夫に注目する」という方法です♪このサイトは、そうした視点を持つことのサポート用です♪

 ぜひ一度そういう視点で園館を楽しんでみてください♪

★到津の森公園に行こう!♪・・・私なんか、関東から飛行機に乗って毎年行っています!♪車とかで行ける地元の皆さんや九州・山口の皆さんがうらやましいです! <アクセス情報はこちら♪> <開園時間などはこちら♪

★ブログを読もう!♪・・・飼育員さんの日々の工夫がちゃんとアップされています!園に行ける方も行けない方も、熟読必須です♪ <園のブログ「公園だより」はこちら♪

<執筆後記>

 今回ご紹介させて頂いた吉森さんのことは、「よしも♪」と呼ばせて頂いてます^^よしもはまっすぐで心意気もすごいけど、やさしくて心遣い満載で・・・前回行ったときには、「正規採用になったから」と夕飯をおごってくれて、「孫に初任給でごはんをごちそうになった祖母」ばりに感動しました(TT)。

 だからって「素晴らしい」を連呼しているわけでは決してないですよ(笑)。本人は「褒め過ぎです」とイヤがっていますが(笑)、私は本当に褒めたい人しか褒めません♪確かに、こんなに褒められたらハードル上がったりして迷惑だろうなぁと思いますが(笑)、でもどうしても、飼育員さんたちのがんばりをお伝えしたいのです♪逆に言えば、お伝えしたくなる飼育員さんがいてくれてありがたいのです♪よしも、いつもありがとう!♪

 園館を楽しむ視点を、「動物を幸せにするための飼育員さんの工夫」に移してみてください♪そしてそれを応援することで、「動物と一緒に幸せになる楽しさ」や、「園館改善に参加する楽しさ」も満喫してください♪園館のウリを「動物のみ」と見ると、「はやりの動物・新しい動物を連れてくればいい」といった負のスパイラルから出られません。動物は、今すでに園館でがんばってくれている皆さんで、十分以上に魅力的なのです♪園館の魅力やウリは、動物の種類や数ではないのです♪今いる動物たちを、よりハッピーにするその努力・過程こそが、園館のメインコンテンツです(動物はベーシックコンテンツ)♪そういう捉え方で展開したほうが、動物がいきいきし、常に変化があるので飽きられず、教育効果も労働意欲もアップし、全方位的に有効です♪

 という私の持論(保全エンタメ式園館活性法)に、自信を持たせてくれることのひとつが、よしもの「説明と選択肢」の努力なのだなぁと、今回の記事を書きながら改めて思いました♪到津の森公園に通える方々が、ますますうらやましくなりました♪

p.s.到津のことを発信するとき、いつもお世話になる松浦竜一さん(到津の森公園ボランティア)に、今回も写真を撮ってきて頂きました♪竜ちゃんも、いつもありがとう!♪        (2016.7.28)

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