ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第19回 到津の森公園 「動物の居場所を快適に♪そして引き出される魅力♪」~哺乳類~
⑨マンドリルさんの寝室の工夫♪
マンドリルさんたちの寝室です。枝葉やフィーダーがたくさん用意されています♪
さらにこの寝室で驚いたことは、扉やドア(動物用・人間用)が、大変にスムーズにスルスルと開くこと!ちっともガタガタしたり、サビついてキーキーいったり、開け閉めに力を入れることがないのです!
「こうしたことのメンテナンスも、当然のことです。動物と人の安全に関わりますから。」と延吉さんはおっしゃいますが、感動的でした♪
このフィーダーは、食べ物が上から下へ、さらに斜め下や奥(寝室内)へと複雑に移動します。頭と心が刺激されそうです♪
もちろん、飼育員さんたちが工夫して設置した手作りのフィーダーです。
最上部に食べ物を入れます。マンドリルさんが器具を回すと、食べ物が落ちてくる仕組みです。
ドライフードを入れるので、マンドリルさんが勢いよく回すと飛び散ります(笑)。それもきっと刺激的で楽しいことでしょう♪
食べ物の投入場所は天井近くなので、脚立に乗ってそこまで行くという手間を毎日かけています♪
マンタロウ父さんが待っていますよ♪
フィーダーは人気なだけに、取り合いのケンカにならないよう、マンドリルさんたちの力関係を考慮したり、構造の複雑さと広がりで、何名かが楽しめるようにするなどの工夫をしています。
また、食べ物が移動する塩ビ管は、枝のような居場所にもなっています。
こんなに複雑に手作りしていて感服します。ニコちゃんも長いこと活用していましたよ♪
なんせ寝室で過ごす時間は長いので(1日の3分の2)、なにか「やること」があるということは、心身の健康に非常に有効です♪
ハズバンダリートレーニングでマンドリルさんに腕を出してもらい、採血などをするための器具です。
体重は、マンドリルさん全員が毎日測っています♪それも、ハズバンダリートレーニングによるものです(動物に強制するのではなく、自由意志で協力してもらって受診動作ができるようにするトレーニング)。
枝葉は毎日追加しています。枝葉の供給量との兼ね合いから、写真の状態が最大量だそうです。
限られた条件下でも、最大量を用意し続けているところが、さすが到津の森公園です♪
マンドリルさんたちは、枝葉を食べたり折って遊んだりします♪そうして下に落ちた枝葉は、糞尿などが付着するので半分くらいは廃棄します。
下に設置されている木組みは、この中に食べ物を隠すことで「探す楽しみ」や「自分で取り出す楽しさや体の動き」を引きだしています♪
左に見える、フタ付きのカゴも、フィーダーです。
さらに、キャベツなどを各所に設置し、「探す楽しみ」を増やします♪
飲み水は屋根の下に設置して、糞尿などが入らないようにしています♪
自然物や食べ物が豊富に用意されているので、「排水口が詰まる」と思われがちですが、写真のように網目でキャッチしているので大丈夫です。
こちらは、高齢で寝室で過ごす時間が多くなったマンドリルさん(アンさんというおばあちゃん)用に作った、地面ゾーンです!
最下部にネットを張り、枝と土を敷いて植樹♪
「飼育員さんて、動物のためなら地面まで作り出すのか・・・」と、震えました♪
コンクリートしかない状況だからって、諦めず投げ出さず、できることに励む飼育員さんたち、素敵すぎです♪
アンさんの情報も、ちゃんと園路に用意してあって、愛と想像力を感じます♪
こうして動物ごとの情報や近況を知ることで、ぐっと身近に感じたり記憶に残ったりするという点でも、重要です♪
園のホームページのマンドリルさん紹介ページには、個別紹介やこれまでの工夫を説明したブログへのリンク一覧もありますので、ぜひご覧ください★
(※アンさんは先日ご他界されました。しかしながら飼育員さんたちの努力の実例として、紹介しました。)