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ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪

002 到津の森公園 (福岡県北九州市) 
​★説明と選択肢の用意(里のいきもの館)

2016.7.29up

  「ZOO AQUA STORY☆」、前回の第1回は初回ということで説明的な部分も多く、飼育員さんの仕事をほぼ一日の流れで追いましたが(なので文量も多かったですが)、毎回切り口と文量は変わります♪第2回は、特に注目して頂きたいテーマに絞ってご紹介します♪「説明と選択肢の用意」という点で特にすごいと私が思っている飼育員さん、吉森(よしもり)さんの工夫の紹介です♪

 吉森さんが担当しているのは、到津の森公園(北九州市)の「郷土の森林(もり)」ゾーンにある「里のいきもの館」♪その各所で、吉森さんの工夫が静かに輝いています♪それは、「説明と選択肢の用意」です★「生き物の生態の説明」だけではなく、「生き物に対する思いやりや敬意・知的好奇心を育むことにつながる説明」が素晴らしいです♪さらに、限られた空間で過ごす生き物たちの毎日と一生に彩りを増やす、「その生き物の生態と個性が必要とする選択肢」を用意する努力も光っています♪

  たとえば、吉森さんが用意したアオダイショウさん宅には、「移動できる広さ」「植物や石などの自然物」「水辺」「隠れられる場所」などの選択肢が用意されていますし、その説明も世界レベルです♪こうしたことの背景に、吉森さんの「学ぶ姿勢」があることも、私だからこそご紹介できる点ですので、熱くお伝えしたいと思います♪

 ふだんなかなか気づかないことではありますが、ぜひ気づいて楽しんだり評価して頂きたい飼育員さんの工夫のすごさや努力を、ぜひご覧ください♪

 吉森さんが自分で手作りしたアオダイショウさん宅です!♪このお宅には、吉森さんの「学ぶ姿勢」「自分で形にする熱意」「動物に対する敬意や愛情」が詰まっていて、私は大好きです♪

 まず横長の形♪私の仕事のサポートもしてくれている親友が、「ヘビさんが体を伸ばすことすらできないお宅が多い」ことを悲しんでいると伝えたら、そうした意見も参考にして、吉森さんが形にしてくれました♪これだけあれば移動もできます♪ヘビさんは置物ではないんですよ、移動だってするんですよ♪

 そして、ヘビさんの毎日には当然あるはずの、「植物などの自然物」や「隠れられる場所」♪私の提案に自分でアイデアを出して、形にしてくれました♪

 こうした吉森さんの、「聞く耳を持つ姿勢」「もらったアイデアや学んだことを形にしてみる熱意と、その作業を楽しむ前向きさ」こそ、飼育員さん個人だけでなく園館の前進にも、必須で有効だと思います♪でもできない人や組織が多い中、吉森さんは器が大きく柔軟だなぁと、いつも感服しています♪

 この説明、実は世界レベルなのです!♪海外の園館(動物施設)では、動物宅に「隠れられる場所」があることが多いです♪なぜなら、人の視線にさらされ続けることは疲れますし、動物も静かに過ごす時間と場所を必要としているからです。動物に無理をさせて丸見えにすることが園館の仕事ではないですし♪(動物が十分にいきいき過ごせるようにし、その魅力を活用して来園者教育を楽しくおこなうことが仕事です)

 そして、「動物が隠れて休んでいる」=「見えない」ということに関して来園者からクレームが入った場合は、「動物にも、人に見られないで休める場所と時間が必要です。あなたと同じです。」と、「説明」することで理解を得ています。

 というチューリヒ動物園(スイス)の例を報告会で話したところ、さっそくこんなすごい説明が!(TT)しかも、「見えない場合もある」ことをマイナスに捉えるのではなく、「見つけられるかな?」と楽しさにつなげているのが素晴らしいです!♪

 人間の基本情動には「探索」があるので、「なにかを探す」と、「楽しいスイッチ」が入るのです♪「動物を探すくらいのおうち」は、「動物も人もうれしいおうち」なんですよ♪

 素晴らしい説明の裏側も、隠れられる場所になっています♪そうした、来園者からよく見えない場所でも手を抜かず、ヘビさんが満喫できそうな枝などが用意されています♪

 ちなみに、「私が伝えたから吉森さんが作ってくれた」と、自慢したいわけではないのです(笑)。そりゃぁ、伝える仕事をしている者として、こんなにうれしくて甲斐があって勇気の出るありがたいことはないです♪でも言いたいのはそこではないのです♪

 吉森さんは、いろんな人や本や現場などなどで学ぶことを実践し続けています♪そして、試してみる価値があると思ったら形にしたりと、行動に移します♪そのことが、生き物たちやお客さんや自分や園を幸せにします♪

 この循環を生み出し続けているすごさ・素晴らしさに、ぜひご注目の上、「吉森さん、すげー♪」と、絶賛よろしくです♪自分では絶対にアピールしないタイプですので^^

 そして、「その動物の生態と個性が必要とする選択肢」の用意です!♪ぜひ、「自分がもしこの動物だったら、何を用意してほしいだろう?」と考えてみてください♪

 ガラスの中での毎日と一生です。植物や石の存在が、きっと心地よさやいい香りなどをもたらしてくれるでしょう♪飲んだり入ったりする水も、きれいなのがあったらうれしいですね♪

 もちろん、移動して違う場所で過ごしたり、隠れて休んだりもしたいですね♪

 そうしたことが実行できる「選択肢」があるということは、その動物が生態に近い行動ができるということです♪それはつまり、その動物のことをよりリアルに伝えられるということで、園館の任務である保全教育に直結することです♪

 おおっ!アオダイショウさんを発見です♪アオダイショウさんが自分で選んだ場所に居られている光景にしびれます♪

 自然物の中にいる様子のほうが、ガゼン美しさも映えます♪

 板とかプランターとかの人工物ももちろん見えていますが、それは飼育員さん工夫と愛情の結果ですから、感動的です♪

 このお宅を自作した熱意がそもそも目汁です(TT)。予算やスペースや人出不足などの関係で、できないことも多いのが、全園館の現実です。でもその中でやさぐれるか諦めないかは、自分で決められることなのです♪

 たまげるほど諦めていない飼育員さんたちが全国にいます♪到津の森公園もそうです♪園館で暮らす動物にとって、飼育員さんは最後の希望の光です。諦めていない飼育員さんを見かけたら、絶賛応援必須です♪「飼育員さん応援」は、すごく実のある新しい楽しみ方で、超オススメです♪

 まだまだアオダイショウさん宅のご紹介ですが(このページ全部そうですが^^)、植物が、置いてあるだけでなく吊るしてもありますよ♪立体的に自然物がある状況が作り出されていますね♪

 さらに、上部空間も活用して、アオダイショウさんが移動できるように枝を増設♪ここを移動している様子も、観察できたら感動するだろうなぁ♪

 ライトは暖房でもあります♪アオダイショウさんに人の手の中で暮らして頂くには、温度や湿度なども含めて、アオダイショウさんの生きる世界を再現することが必要であり、当然なんですよ♪

 他に私が気づいていない選択肢もありそうです♪発見したら教えてくださいね♪

 このアオダイショウさん宅には、水辺も水槽で再現されています♪アオダイショウさんが暮らす自然環境の再現につとめているのと、アオダイショウさんの選択肢増設にもなります♪

 なんと、たまに泳いだりしているそうですよ!アオダイショウさん、泳ぐのですね~♪と、ほら、学びにつながりましたよ♪

 この水槽はアカハライモリさん宅でもあります♪アカハライモリさんが、水中と水上を両方満喫できるよう、ナイスアイデアな植木が設置してありますね♪

 こういう工夫を考えたり実施したりする楽しさと効果を飼育員さんが感じられるよう、十分な人員数とか正規採用とか、もうそこから応援して頂いて、園館動物とスタッフさんとお客さんと運営側と、みんなで幸せになることをぜひ楽しんで頂きたいです♪

※次頁では、選択肢を満喫しているヘビさんの写真をご紹介します♪

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