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ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第12回 熊本市動植物園 「震災1年後の様子」​①震災時の動物たち         2017.8.31 up

2016年4月14日以降に熊本県と大分県で続いた地震は、最大震度7という大きさと揺れの多さから、甚大な被害をもたらしました。実は私も地震発生当日、取材ですぐ近くの大牟田市におり、本当に大きくて恐ろしい揺れを経験しました。熊本市動植物園も大きな被害を受けて休園。その後、部分開園はしましたが、完全復旧には程遠く、まだまだ多大なる支援が必要な状態です。そんな厳しい状況の中でがんばっている、動物たちと飼育員さんたちの現在をお伝えします。

​(写真はすべて、震災から約1年後の取材時に撮影したものです。)(全4ページ)

 飛行機から見る熊本の街並み。一見何事もなかったかのように見えますが、動植物園だけでなく被災地も回らせて頂いたところ、各所に被害の様子が残っていました。

​ あの地震を1日経験しただけの私でも、いまだに緊張感があります。現地で暮らしや仕事を続けておられる皆さんや動物たちの心身が、心底休まる日が1日も早く来ることを祈るとともに、自分にできる応援は続けていきたいと思います。

 

 園内マップ。取材時(2017年5月末)に会える動物は、ゾウさん・キリンさん・ふれあい広場の動物たち・キジさんたち(園内マップ㉛)でした。現在(8月)はさらに、草食の動物たちのゾーンも公開になっています(園内マップ㉑~㉖の動物。部分開園マップはこちら←PDFです)。

 開園は、土曜・日曜・祝日となっており、平日は臨時休園中です。

​ 現在の部分開園で会える動物たちの、地震時の様子を、少しお伝えしたいと思います。

 アフリカゾウさんたちは、地震の時、寝室にいました。左の牙が短いのがエリさんで、右がマリーさんです。

​ 地震時の様子が録画されていましたが、2名とも非常に動揺して大きく動いていたそうです。本当に怖かったのだと思います。

​ 飼育員さんたちは、自分たちが被災していても、園に駆けつけました。

​ ゾウさんたちは、目が血走っていたそうです。飼育員さんたちが来てくれて、ホッとしたことでしょう。

 ゾウさんたちは、地震のあとゲリをしていたそうですが、2日ほどでおさまりました。

 食欲も2日ほどで元に戻ったそうで、長引かなくてよかったです。

 その後も、余震のたびに、「パオーン」と声をあげて興奮し、ウロウロして落ち着きませんでした。

​ 現在は、今まで通りに健康管理のトレーニングを受けたりと(写真)、日常生活が送れています。

 マサイキリンさんは、4名います。地震時はリキくん・ランさん・小春さん・冬真(トウマ)くんです。地震後の9月に秋平(シュウヘイ)くんが生まれ、10月にランさんがご他界しました。

​ キリンさんたちも、余震のたびに走っていたそうです。冬真くんは生後3ヵ月での地震でしたので、怖くて不安だったことでしょう。

 キリンさんのお宅では、運動場のいたるところに地割れができてしまいました。

​ そこで、最初の3日間は基本的に寝室で過ごして、最小限の時間だけ運動場に出るようにしたそうです。

 「動物ふれあい広場」のように、大丈夫だった建物もあります。

​ 動物たちは私たち人間の都合で施設暮らしをしてくれているのですし、どんな災害があっても逃げられないので、すべての動物の安全が保障される整備が、園館等動物施設では喫緊の課題です。

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