ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第13回 浜松市動物園 「飼育員さんたちの、こまやかな努力」
⑤コモンマーモセットさんなどの食事の工夫と、その他の工夫
大きなサルさん(ゴリラさん)の次は、小さなサルさんの食事に関する工夫の紹介です♪
浜松市動物園では、コモンマーモセットさん(写真)やゴールデンライオンタマリンさんなど、4種の小さいサルさんたちが暮らしています。
その担当を約10年続けている梅田さんは、飼育員さんになってから約5年間、本で勉強したり他園をめぐって知識を吸収する努力を続けました♪
担当している小さいサルさんたちの栄養吸収を改善すべく、補助食であるミルワームさん(写真)自体の栄養吸収を変える取り組みを行っています。
コモンマーモセットさんが、出産のたびに骨が曲がるという症状があったためです。
成果の判定にはさらなる長期観察が必要な段階ですが、動物たちの健康度アップのために、できることからトライしています。
梅田さんが手にしているのは、右からビタミン・カルシウム・粉茶です。これらをミルワームさんが吸収するようにします。粉茶の意図は、含まれる葉酸が細胞分裂に必須であるためと、殺菌効果です。
サルさんたちは、このように変化を加えたミルワームさんも、変わらず食べるそうです。
ミルワームさん経由なのでごく少量ずつ穏やかにサルさんたちに伝わります。また、大きくてサルさんたちが直接は食べられないものを、ミルワームさん経由で摂取することも。
フスマが敷き詰められているミルワームさんのお宅に、摂取してほしい各種栄養素を含む粉やドライフードなどを入れます。カルシウム用にニボシも入れます。
運動場にはウッドチップが敷いてあります♪細部に詰まったりして地味に大変だそうですが、サルさんが落下した場合のクッションとして、用意してあります。動物本位ですね♪
また、このウッドチップを隠れ場所として活用して、コオロギさんが放されています。本来の食事に昆虫も含まれるので、探して獲る刺激にもなります。
このコオロギさんも、カルシウムとタンパク質を摂取するように工夫されています。ちなみにコオロギさんたちのお宅に食パンの耳を入れると、乾燥剤の役割も果たして衛生状態が良くなり、生存率がアップするそうです。
蛍光灯の一部を、紫外線が出るものに替えています。カルシウムの吸収を促すそうです。
高価なのですべての蛍光灯を替えることはできていませんが、できることから実践するということが大事だと思います。
エアコンはばっちり効いていましたよ♪サルさんたちは室内外出入り自由なので、複数の温度の居場所を選択できます♪
飼育員さんたちの、こまやかな努力は果てしなく続きます♪
動物たちのケアだけでなく、掲示物の作成や動物宅の修繕など、仕事は満載です。
この作業場は、ゴリラさん担当の堀尾さんが整備し、皆さんで大活用中とのこと♪
屋根もあって、便利そうです!♪
梅田さんが担当されている動物宅には、さまざまな工夫が見られます♪
写真のコツメカワウソさん宅には、水上にも居場所が増設されていましたよ♪
園館の掲示物は、飼育員さんと並ぶメインコンテンツです。伝えることが任務ですので。
しかしながらこの制作や補修も大変な手間を要します。写真の掲示物も、梅田さんが作りました(内容は別の職員さんが作成)。
ほとんどの園が人手不足ですので、内容の確認は園や飼育員さんが行い、実際の制作はボランティアさんの出番だと私は考えています♪
飼育員さんの熱意に丸投げせずに分担することが、その熱意をより活かす方法です♪