ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第13回 浜松市動物園 「飼育員さんたちの、こまやかな努力」⑥伝える工夫
園館等動物施設の任務は、手にした動物たちの魅力を活用させて頂いて、人間側の意識と行動を保全方向に変えることです♪
そのために必要なことは、まずは園館動物の福祉向上に取り組むことと、来園者(市民・国民・人類)に「説明」をすること♪
この、「伝える」努力という視点で、浜松市動物園でバードケージなどを担当している松下さんの取り組みをご紹介します♪
今年度から新たにここの担当になった松下さんは、各種改善案を考え、提案するための図や文章やデータを用意しました♪
鳥さんたちの快適な居場所と、鳥さんたちのことを来園者に伝える工夫を増設する計画です♪
松下さんは、キリンさんの担当だった時、キリンさんの国際会議に参加すべく一人でアメリカまで行った熱意の持ち主です♪
現場(バードケージ)でもすでに少しずつ改善が実行されています♪
鳥さんたちの居場所を増やすべく、人間用の手すりよりは止まり木が好きなのではないかと設置♪
写真のジュズカケバトさんは手すりにとまっていますが、いいんです、鳥さんが自分で選べる選択肢を増やす努力が重要なのです♪
さらに、一段高くなっていてバードケージが見渡せる場所に、ベンチを設置♪休憩しながら見学できます。
来園者の選択肢を増やすと、滞在時間が延びて鳥さんたちのことを知る機会が増えるので、大事です♪
違法に輸入された動植物を受け入れるために国から依頼を受けて、最近来園したコンゴウインコさんに、ハズバンダリートレーニング(受診動作の練習)を行う松下さん♪
受診動作の増加は、ケアの選択肢が増えることですので、大事な取り組みです。
ハズバンダリートレーニングは強制などのイヤなことをしないので、動物にとってのいいヒマつぶしや、気晴らしにもなります♪
園内で拾った鳥さんたちの羽を、アクセサリーにするイベントも行っています。
実は私は、羽を使うアクセサリーなどが嫌いでした。動物を装飾などに使うことは「そう扱っていいんだ」という逆教育になりますし、もし流行したら、「偶然に落ちている羽を拾う」だけでは済まなくなり、鳥さんたちに害が及ぶ心配があったからです。
しかしながら、危害を加えると言ってもそう簡単に鳥さんは捕まりませんし、教育効果が大きいということを今回知って、意識が少し変わりました。
例えば手前左の羽はマガモさんのですが、「こんなにかっこいい羽の持ち主だったのか!」と、強く印象に残りました♪
飼育員さんたちの、「落ちている羽を探して拾う努力」の大変さを聞いたことも、「動物にとって不要となったものをささやかに活用している」と捉えるきっかけとなりました。
さらに、洗って消毒して乾燥させて・・・と、手間をかけて大事に活用しています。
ちなみに、鳥さんの種類によっては、羽でも海外で持っていると違法とされるものもありますので、園内で拾う場合は要注意だそうです。
さらにちなみに、私は飼育員さんの手が好きです♪仕事をしている人の手で、かっこいいです♪
こちらは、ハクトウワシさんのお宅です。夏の暑さを少しでも軽減できるよう、寒冷紗(黒い覆い)を、松下さんたちが3人がかりで設置したそうです♪
この規模での設置はさぞ大変だったことと思いますが、飼育員さんたちの努力のおかげで、ハクトウワシさんの快適度はアップしたことでしょう♪
このように、飼育員さんたちは、来園者から見えるところ・見えないところで、毎日こまやかな努力を続けています♪
飼育員さんは仕事が多いだけでなく高度な専門職でもあり、どの園館も本来なら現状の3倍の人員がいてもおかしくありません。
そうしたことまで含めての動物園応援を、市民の皆さまには楽しんで頂きたいと思います♪園のリフォームも少しずつ進むそうですので、楽しみです。
動物と飼育員さんがしあわせな園館は、来園者もしあわせにしてくれます★
<浜松市動物園に行こう!>
例えば関東からですと、新幹線とバスですぐですよ♪
・開園時間:9:00~16:30 (入園は16:00まで)
・休園日:12月29日~12月31日
・入園料 大人410円(詳しくは園のサイトでご確認ください)
・アクセス:新幹線・JR浜松駅の、北口を出て目の前にあるスカレータを降りて前進、円形の広場から階段を上がってバスターミナルへ→1番ポール「舘山寺温泉」行き(10~20分おきに便あり)(取材当時は片道580円で、ICカードはこのバス会社のものしか使用不可でしたので、現金で。)→約40分、「動物園」下車
詳しくは園のサイトで確認してください(バスの時刻表へのリンクもあります)
・園のブログもあります
<執筆後記>
今回ご紹介した浜松市動物園のゴリラさんの畑は、実は2年前から「素敵!」と思っていた取り組みでした♪しかしながらいざ取材しようとすると、野菜の成長と合わなかったり私が体調を崩したり。ですのでタイミングが合った時に急いで取材申請を出させて頂いたのですが、すぐにご快諾頂き、本当にありがたかったです♪
そうした「行動に移せる」という状況が、取材など外部の人だけでなく内部の人にも当てはまっているところが、浜松市動物園の素敵なところだと思います♪
また今回、「ZOO AQUA STORY☆」の取材としては初めて、単独ではなくあなざわあつこさんにサポートしてもらいました。一緒にウガンダのゴリラトレッキングに行ったほどゴリラさん大好き人間なので、私が気づかない点も拾ってくれるかと♪そんなあなざわあつこさんの、ゴリラさんの畑を体感した感想は、「しあわせすぎて、もう思い残すことはない」だそうです♪本当にそれくらい、しあわせを感じる現場でした!
そんなあなざわあつこさんが撮影してくれた取材風景がせっかくありますので、ここに掲載します。取材したお三方とも熱い話が止まらず、愛情と情熱を感じて感動的でした♪
浜松市動物園に行くのは4回目でしたが、毎回、飼育員さんや獣医さんや職員さんたちの熱意に触れる機会があり、感服いたしております。園内でも事務所でも、お会いする職員さんたちが皆さん笑顔で対応してくださり、感謝感激です♪
夏休みでお忙しい時期に伺ってしまい恐縮でしたが、イヤな顔ひとつせずどころか笑顔でサポートして下さり、本当にありがとうございました!♪