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ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第17回 金沢動物園 「動物にマッチした環境づくり
②足にマッチした寝室♪その2&足その他にマッチした運動場♪

​ インドサイさんの寝室、はじっこはサイさんが踏まず圧がかからないため、独自の生態系が形成されています♪

​ 「生態系のある床」ということ自体が驚き&感動的です。

 なんと、ワラなどが分解されて土のようになっています!♪

 これが、コンクリートと鉄しかなかった空間の床とは、驚くばかりです♪

​ 土まで作り出すとは・・・飼育員さんのお仕事は本当に果てしないですね!

 ワラなどを分解してくれたのは、ダンゴムシさん・アリさん・ハエさんの幼虫・バクテリアさんなどです♪

 こうした生き物を狙って、クモさんやトカゲさんなどの肉食の生き物もやって来ます♪

 一般的には害虫と呼ばれる生き物たちも、ここでは違うのです♪

 水飲み場の近くでは、また違った床の状況になります。

​ 草の発芽もあります♪想定内どころか期待してのことです。「草の生える寝室」って!!

​ キンタロウさんのお尻の向こうに見える運動場も、ご覧の自然物モリモリ床です★

 動物には「生存に必要な広さ(テリトリー)」があります。園館ではその広さが限定されてしまうので、「その中でどれだけ用意できるか」を、先﨑さんは考えているそうです。

​ 各素材の分解スピードも考慮した上で、インドサイさんに必要な環境づくりに励んでいます♪

 コンクリートのたたきの上でウロウロすることが足への負担を増すため、なんと、たたきの大部分を撤去!すごい情熱です♪

 また、その許可が出たことにも感服します♪当時の施設担当さんが理解のある方であったことと、そうした工事を請け負ってくれた業者さんのおかげだそうです♪

 でもその陰には、先﨑さんによる3年にわたる説明と、業者さんとの熱い付き合いがあります!

​ さらに、その工事で約1週間、ふかふかの寝室生活だったことで、足の回復が前進♪足の裏もすぐ変化し、野生の状態に近くなりました♪

​ ちなみに、たたきを撤去した部分には、枝を敷いた上でウッドチップなどをかぶせています。

 ウッドチップは40cmほどの厚み。分解されて土になるので、年に一度追加します。逆に、地面の高さが上がってくるので表面をスキ取ることも。運動場にトラックが入れないので、スキ取ったものの搬出作業が大変だそうです。

 そんな運動場は、単純な柔らかさより「湿地のようにゆっくりと沈み込むこと」「ヒヅメが削れないこと」を重視。

 ウッドチップは、顆粒状で隙間の空気部分もあると同時に木なので柔らかさもあり、サイさんが歩いた時に適度に沈み込みます。

​ 「(サイさんが)必要なのは表面的な柔らかさのみではない。必要な条件の再現。本質的なところをどこに設定するのかが大事」とのこと♪

 冬は乾燥してインドサイさんの皮膚がひび割れすることもありましたが、梅雨前に運動場にウッドチップを搬入することで、何度も雨にさらされて水を吸い、冬はしっとりと湿った地面になります。冬の乾燥が軽減され、皮膚の状態が良くなりました。

 このように、通年のサイクルが見えてきています♪

 先﨑さんいわく「(インドサイさんに施設で暮らしてもらうなら)床を育てる」♪床も生き物だそうです♪

​ こうした発想と実践に取り組める飼育員さんが増えることを、応援したいですね!♪

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