ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第17回 金沢動物園 「動物にマッチした環境づくり」
③その他の工夫♪
目というセンシティブな場所を触る(カスを取っています)先﨑さんを、信頼して身を任せるキンタロウさん♪
ハズバンダリートレーニングも試しましたが、7年担当したことで「声をかければ動いてくれる」ので、今は特にトレーニングは行っていません。
同じ空間には入らない準間接方式ですが、十分にケアできるとのこと♪(以前は複数の飼育員さんがいる時に中に入り、足の処置をしたこともあったそうです。)
ゴポンさんの皮膚の隙間をさすったり♪
金沢動物園のインドサイさんたちも、なでられたり触られることが大好きです♪
全身を触ることができるので、健康管理にも活かせます♪
インドサイさんは、「溜め糞(ためふん)」と言い、うんこを道に積み上げてコミュニケーションに使います。
その生態を再現すべく、今は回収しているうんこを運動場で積み上げることを思索中♪
本来あるものなので、置いてあっても問題ないそうです。
枝葉も用意♪サイさんたちが自由に食べられるようにしています♪
フィーダー(つつくと食べ物が出てくる器具)も寝室に設置していますが、ゴポンさんは好きじゃないそうです。
寝室の天井にシュロも設置♪本来の生息地であるヤブを歩く際に、体が植物に接触する感覚を再現しています♪枝葉も食べます。
先﨑さんの背後に少し写っている、側面に設置した枝は、食べたりツノでカチャカチャしたりすることに活用します♪
運動場にいるのはキンタロウさんです♪
先﨑さんは、他の生き物との多様性も大事にしています♪
写真は、ルリジガバチさんのために用意した竹筒のお宅です♪ハチさんがトリさんのうんこでフタを作って活用しています。
ルリジガバチさんはクモさんを食べますが、他のハチさんに寄生されることもあります。
外にはカブトムシさんが来て、地面に卵をうみます。カブトムシさんの幼虫を狙うタヌキさんも来ます。
インドサイさんとアマサギさんが一緒に過ごせたらいいなと考えています。
動物は本来、数えきれないほどの生き物たちと共に暮らしています♪それを再現する取り組みは、海外の動物園でも静かにブームであるように感じます。
サブ運動場で過ごすゴポンさん♪ゴポンさんはプールが好きなので、水深2m以上の水槽で泳ぐ姿が観察できる施設が夢です♪
先﨑さんは「必要な場所に必要なことをする」と考えます。そのほうが改善できるそうです。そのために、「どこに長くいるか」「行動や環境による体の変化」なども確認します。
金沢動物園でのインドサイさんの環境づくりは、まだまだ続きそうです♪楽しみですね!
そして、そんな飼育員さんの努力を応援することも、楽しんで頂きたいと思います♪
<執筆後記>
今回ご紹介したインドサイさん宅は、何年も前から取材をさせて頂きたくてウズウズしていた物件でした♪運動場が自然物モリモリ床なのは園路から確認できますし、寝室にワラがてんこ盛りなのも園路から少し見えたからです。この環境づくりに励んでおられる飼育員さんにお話が聞きたくて、行くたびインドサイさん宅の前でチャンスを待ったのですが叶わないまま何年も経ち・・・その間、うかつにも先﨑さんによるご講演を聴き逃し・・・でも、さすが先﨑さん、コンクリートたたきの撤去工事やサイさんの足の状況変化など、逐一写真などで記録を保管した上、取材やイベントで見せられる形にしてありました♪おかげさまで、ここ数年の取り組みや変化を把握することができました♪ちなみに最後は金沢動物園の他の飼育員さんにつないで頂いて、取材に至りました♪ありがとうございます♪
ついに念願叶ったどころか、取材ということでふかふかの寝室も体験させて頂きましたが、コンクリートのみの寝室ばかり見てきた身には「ふかふか!いい香り!暖かい!土が?!虫さんたちも?!ここ、どこ?!」と頭が混乱してくるほどの別世界でした♪なにより、サイさんたちの健康状態が良好ということが、環境づくりの効果を示していると思います。
取り組みの細部に関してはインドサイさん限定のものもありますが、「動物にマッチした環境づくりに励む」という、発想と実践の実例として、どの園館動物にも参考になると思います♪すべての園館動物たちがこうした努力に出会えるようにするためにも、飼育員さんと園館への評価と応援の基準を、「動物福祉向上の取り組みと、その説明」にアップデートしていただけましたら幸甚です♪