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ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第23回 西海国立公園九十九島水族館 海きらら 「飼育員さんの声
~仕事について・取り組んでいること・これからしたいこと・学生さんへのメッセージ~
​④魚類班その2♪
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 「黒島のサンゴ」水槽です。黒島は、海きららの所在地・佐世保市にある島です。長崎県にはサンゴさんが暮らしているんですよ♪海きららは、地元である九十九島の紹介に特化している点も素晴らしいです♪

 この水槽を担当して4年の、出耒(でき)さんにお話を伺いました。出耒さんは、イルカ班→クラゲ班→魚類班とすべての班を経験しています。そして現在、大好きなイルカさんの対極的な存在とも言える(動かないので)サンゴさんにドハマり中♪

 2013年から海での調査も行なっていて、水槽内を海中で見た光景に近づけています。

 「黒島のサンゴ」水槽で工夫した点は、①サンゴさん同士の距離を取る(拡大も生態のひとつなので)、②水流(水がよどむとサンゴさんのダメージが大きいので、よどまないように調整)、③光の必要度合いに応じて置く(必要なサンゴさんは上のほう)。

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 私がオススメする園館活性法は「動物福祉向上の取り組みと、その説明」で、「動物と一緒に幸せになる楽しさを伝える」ことです♪サンゴさんの幸せを推測すべく健康状態の判断方法を教えて頂きました♪

 「①触手が出ている②拡大している」がポイントで、写真のサンゴさんは上下に拡大しているので、絶好調です♪

 この方のように他のサンゴさんたちも自分で広がれるようにすることが、出耒さんの「これからしたいこと」です。​黒島では、巨大なサンゴさんが広がっているそうです(※絶好調でも拡大には非常に時間がかかる場合が多く、短期間では認識しにくい場合もあります)。

 飼育員さんの夢を伺うと、最終的にはやはり「広~~い場所でのびのびと本来の生活を♪」になります♪そうなったほうが来館者の学びと喜びも大きくなると思います♪皆の利害が一致しているのですから、「動物の種類を減らして1種あたりのスペースを超絶拡大する」という流れになることでしょう♪

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 逆に好調でない例がこの方で、肉が薄くなって白い骨が少し出てきてしまっています。

 もちろん出耒さんは状況を把握していますので、場所を変えたりバックヤードで休憩するなどの対策を行ないます。

​ 健康状態の判断は、海で観察したサンゴさんとの比較で行っています。潜水調査は月1回実施しています。

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 左のサンゴさんは、紫っぽい茶色に見えるモヤモヤが触手で、たくさん出ているのでこの日は絶好調です♪

 ちなみに右のお三方は同じ種類なので、拡大のために争うことはないそうです。一見まったく動かないように見えるサンゴさんも、知るほどに興味がわいてきます♪

​ そんなサンゴさんたちに夢中の出耒さんにも「なぜ安い給料でがんばれるのか」の質問を・・・お答えは「好きだからがんばれちゃいます。楽しいですし。解説するのも好きなんです。」とのこと♪

 また「飼育員さんにとって一番大事なことは?」に対しては、「一番かどうかは分かりませんが、先輩に言われてそうだと思ったことは、”どんな生き物にも興味を持つ”ことです。そのほうが自分がおもしろくなりますし、新しいものが見えてきます。海はおもしろいです!」というお答えでした♪

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 出耒さんが今年から担当している「やわらかいサンゴ」水槽です♪サンゴさん、なにげに多彩な展開です♪​

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 右のサンゴさんは本日絶好調です♪力強く立っていることも判断基準のひとつです。

 一方で左の小さいサンゴさん(矢印)は、だいぶぐったり(^^;)。このサンゴさんたちは動かせないので、水流を変えて対処します。でもそのことで他のサンゴさんが影響を受けたりと、難しいだけにうまくいった時の喜びが大きいそうです。

​ ちなみにやわらかいサンゴさんは、ご他界すると溶けてなくなるそうです。不思議かつ潔いですね。

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 こちらは「オオカワリギンチャク」というイソギンチャクさんですが、サンゴさんと同じようにきれいですね♪

 水族館でサンゴさんなどの生き物のきれいさを知ってもらい、そこをきっかけに環境問題に興味を持ってほしいと出耒さんは考えています。

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​ ちなみにこのオオカワリギンチャクさん、休んでいる時の姿が衝撃的!♪

 どう見ても「お亡くなりになったのでは・・・」と思いますが、この状態で数日間休むこともあるそうで、ぜひその姿も観察してみたくなりました♪

​ そして自分が出会った時の状態(上の写真)は、「食べたものを消化したりしている」のだなぁと知ることができて、ますます興味が深まります♪

​ 最下部の説明の「メリハリがあっていいですね。」も、楽しくポジティブな言い回しで素敵です♪

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 出耒さんにサンゴさんの水槽を2つ説明して頂いたので、「最後はお魚さんの水槽を」とお伝えして向かった先は・・・またサンゴさんの水槽か~~~い!(笑)

 いいんです、飼育員さんがそれくらいハマっていると知ることができて、うれしいですし安心できます♪

​ 「深い岩場」という水槽で、見どころはキサンゴさん(左の岩の上)と、ヤギさん(枝状のサンゴさん)だそうです♪ぜひ、現場でその素敵さと健康状態を確認してみてください♪

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 ホコリが付いているかのようなモヤモヤが触手です♪この方も絶好調ですね♪サンゴさんと一緒に幸せになることを楽しむ第一歩として、「サンゴさんは触手!」と覚えてください♪サンゴさんにお会いする時は触手の確認がポイントですよ♪

 ちなみにサンゴさんの食事は・・・

①アミ汁(オキアミさんとアサリさんのミンチを海水で凍らせたもの)を吊るす→溶けてぽたぽた落ちて流れる→匂いを感知し、触手を広げてゲット

②アルテミアさん(極小の甲殻類)の、1回殻を除去したもの

 ということで、結構な下準備が必要です。

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 サンゴさんにうっとりの出耒さんですが、担当になった当初は全く分からなかったそうです。

 じわじわハマり、今では大学の先生と一緒に、サンゴさんの調査やイベントも開催しています♪

 そうした出耒さんのサンゴさん愛と発信がもっと炸裂して、この水槽に来た親子が今は「ほら、お魚さんだよ」と言っているのを、「ほら、サンゴさんだよ♪触手モヤモヤで絶好調だね♪」という会話をする日が来るのを、楽しみにしています♪

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