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ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第8回-1 盛岡市動物公園 「動物園のポテンシャル」:熱心な飼育員さん①♪   2017.2.3 up

 今回はこれまでとは少し違う視点で、動物園の魅力・存在意義・楽しみ方などをお伝えしたいと思います♪その視点とは、「動物園のポテンシャル」です♪日本の動物園は、存在意義と魅力という点において、例外なく厳しい状況にあります。そうした中で、ポテンシャル(潜在的な能力や魅力)を強く感じる園のひとつが、盛岡市動物公園です♪

 その理由は、①熱心な飼育員さんたちがいる(そして、そうした飼育員さんたちが前進できる職場環境がある)②園内の自然がすごい③日本の動物に力を入れている・・・です。この3つの宝をもっと活用できたら、とんでもなく存在意義と魅力の大きい園になると思います♪その自覚と応援につながるよう、ひとつずつご紹介します。冒頭から偉そうで誠に申し訳ありませんが、「日本の動物施設変革」に真剣に取り組み、国内外251施設を見たり取材してきた身として、ぜひともお伝えしたいことです♪

 まずは荒井さんです♪日本の熱心な飼育員さんの中で、荒井さんのことを知らない人はいないと言っても過言ではないくらいの、情熱です。はっきり言って、気の毒なくらいです(笑)。なぜなら、日本の園館(動物施設)は改善点が山積で、そうした状況の中で情熱を持つということは、試練の毎日を意味するからです。

 でも荒井さんは決してあきらめず、挑戦と反省と心遣いと学びを積み重ねながら、確実に前進しています☆

 今回、荒井さんの仕事に一日密着しましたが、その丁寧で密度の濃い仕事内容のご紹介ではなく、熱心な飼育員さんが園にいるということについて、書きたいと思います。

​ ちなみに写真は、キリンさんのために枝葉を用意しているところです♪

 キリンさんたち、早速に満喫していましたよ♪こうした、飼育員さんたちの工夫と努力ひとつで、動物たちの毎日が変わります♪

 このような工夫の数々は、他園館との情報交換だけでなく、例えば行動分析学など、様々な学びの中から生まれています♪熱心な飼育員さんたちは、そうした勉強も日々行っているんですよ☆

 荒井さんも、セミナーを受講するために東京まで来たり、全国の園館を訪問したり、間違いなく日本トップレベルの勉強熱心さです♪

​ 今は多くの園館が、こうした飼育員さんたちが自腹で学ぶことに甘えている状況ですが、本来なら旅費や受講費を出してでも、勉強に行ってもらうことが、施設の存在意義と持続性につながります♪

 荒井さんの仕事で印象的だったのが、この、「見つめる」です♪よく、こうして見つめていました♪動物のことは、とにもかくにも観察が大事。観察して、動物一名ずつの普段の様子を把握しているからこそ、異常の早期発見も可能になります。 

 熱心な飼育員さんに共通していることは、当然ながら、行動力のすごさ♪動物のために行動しようと思うだけでも素晴らしいですし、現場で何かするためには、周囲との調整も必要です。

 そこを面倒がらず、上司や先輩方に説明して許可をもらい、評価も厳しく下される中での、実践の継続です☆

 ですので、「動物のために実践してみたいこと」だけでなく、「それを実現するための調整」にも、ものすごく頭と心を使っています。脳みそと心が擦り切れてしまわないかと心配になるほどです。そして、反省したりへこんだりも、しょっちゅう。

​ そんな飼育員さんたちがいる園は、これからよくなるばかりなのでは?!と、ポテンシャルを感じますよね!♪

​ 盛岡市の皆さんは、恐るべき強運の持ち主さんたちだと思います♪

 動物園の動物宅には、コンクリ壁や備品など、自然界にはないものがたくさんあります。物音などに驚いてパニックになり、そうしたものに激突してしまう事故もあります。

 そのようなことを防ぐために、細心の注意を払って、動物の様子を確認しながら仕事をします。

 密着取材をするたび実感することですが、飼育員さんの仕事は、頭と心と体をフル使いながらの、非常に繊細で高度に専門的な内容です♪

 誰にでもできる仕事と思っている方がいたら、それは誤解です。園館にとって、最重要ポイントは人材なのです☆

 雨でも遠足があったので、解説中♪動物のことは伝えなければ理解されないので、説明は最重要任務のひとつです♪

 動物のケアだけでなく、伝えることにも熱心な飼育員さんたちが、盛岡市動物公園にはいます♪

​ そうした飼育員さんたちが園にいるありがたさや効果の大きさは、計り知れないものがあります☆一度、園内外のいろんな立場の皆さんが、そのことをしっかり認識することから、前進が始まります♪

 

 キリンさん宅を掃除する荒井さん♪黙々と、そしてテキパキと、仕事をされていましたよ♪

 私はこれまでに、国内外251の動物施設に行き、国内だけですと220ヶ所です。その経験から書いちゃいますと、動物のために大変なる情熱をもってバリバリと仕事をしている飼育員さんは、天然記念物に指定したいくらいの貴重さです。

 さらに、荒井さんのように、園自体の今後も真剣に考えて、自分にできることは行動に移そう!なんていう熱意を燃やしている飼育員さんがいるという状況は、もはや宝くじに当たったようなものです♪それも、10億やそこらじゃないですよ!海外の、数百億とかの宝くじです♪

 ここまで荒井さんのすごさをお伝えしてきましたが、私は自分が熱血なので、そういう人の反省点も分かります(笑)。

 まぁ、熱血であろうとなかろうと、後輩・部下の育成は先輩・上司の仕事ですから、その力量を周囲は見ています。

 日本では、熱血飼育員さんが飛ばされるなんてことも珍しくなく、悲しく情けなく恥ずかしいことですし、上役の力量のなさを公表しているようなものです。

​ 荒井さんが飛ばされていないどころか、やりたいことが少しずつでも実践できている盛岡市動物公園は、そういう意味でもポテンシャル特大なのです♪周囲の皆さんも、すごいのです♪そういう視点でも、ぜひ応援していただきたいです♪

​ 写真は、使った道具をきちんときれいに洗っているところです(衛生維持は施設の重要ポイントです)♪

 キリンさんたちのために、再度大きな枝葉を搬入・設置しています♪園館動物のために、できることは果てしなくあるので、「やることがなくてボーッとしている」なんていう時間は1秒もありません♪

 ちなみに私や荒井さんのような熱血漢は、よく、「言いたい放題・やりたい放題」のように言われます。が!実際には、ものすんごぉく、かなり、相当、ガマンもしていますし、ちゃんと反省もしています♪

 それでもいろいろ漏れ出てしまうのは、伝える技量の未熟さもありますが、根本にあるのは熱量の違いです♪本気で日本の園館のことを考えたら、到底おとなしくなどしていられません♪

 大事なことなので繰り返しますが、自覚と自戒も込めて書きますと、熱血漢がいることで、周囲はとまどいます。

 熱血漢は、それまでの「普通」を変えようとするからです。変わることはめんどくさいことです。でも、日本の園館は、変わる道しかもうありません。その道をともに歩むのか、別のもっと自分に合った道に移るのか、自分で選べばいいのです。動物たちは、自分で選べない状況下で、がんばってくれています。

 熱心な飼育員さんという宝くじに当たったことを、前向きに活用すればいいのです♪どう活用するかを、日本各地の人たちが見ている時代です。

​ 写真は、動物のごはんを各種用意しているところ♪市販品をそのまま使うのではなく、動物に合わせて手で崩しています♪

 「なでて~♪」と駆け寄るシマウマさんをケア♪日本の園館動物は、野生に返すことはまずありません。一生を人の手の中で送るのです。ですから、人が果てしなく手をかけることが必要となります。そのために、その動物の生態や傷病の最新研究はもちろんのこと、施設内での有効なケアについても、無限に近く存在する手法各種に、常にアクセス・実践することが仕事に含まれます。

 飼育員さんは、高度な専門職であり、どの園館も現状の3倍以上の人数が本当は必要なのです♪

​ もし、これだけのポテンシャルがある盛岡市動物公園にそうした人材が3倍揃ったら、日本最高最強の施設になりそうですね♪

 荒井さんの机の上には、自分で学んできた、動物のためのアイテムが!♪ロープなどを編んで、その隙間にオヤツを隠して、動物がヒマつぶしできるようにします♪

 このような、今までなかったものを動物宅に入れるということに対して、懸念するのも当然の配慮です。あらゆる事故の可能性を想定する必要があります。なかなかOKが出ないことも多いでしょう。でもそれでも、盛岡市動物公園は動物宅の改善が前進しているほうです♪

​ 次頁でご紹介しますが、なんと、荒井さんレベルの熱心な飼育員さんが他にもいますし、若手も熱いですし、そんな後輩たちに向かい合ってくれる先輩たちもいます♪

​ そんな飼育員さんたちに恵まれるとは、盛岡市の皆さんの強運ぶりはハンパないです!と、改めて断言させて頂きます♪

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