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ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第26回 金沢動物園 「寝室を快適に
②ヒガシクロサイさんの寝室の工夫その2・のれんカーテンと加湿器と温風機
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 園館動物さんたちは、閉園から翌朝の開園まで、長ければ17時間を寝室で過ごします。

 その寝室の快適度をアップすることは、動物さんたちの心身の健康度アップに直結します♪

 「暑い・寒い」の対策はその基本です。金沢動物園(横浜市)のヒガシクロサイさんの寝室では、動物さんが出入りするために扉を開放した際の暖房効率アップを目的として、のれんカーテンを設置しました♪

​ ローラさん(♀)は最初カーテンを気にしたので、左右1枚ずつにするなどの工夫をして、慣れて頂きました。さらに、向こう側が確認できて安心なように、中央を少し開けています。

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 実際にローラさんが確認してから入ろうとしているところです。

 このカーテンがあると、暖気が逃げず、寝室の暖かさが全然違うそうです♪

​ また、暖房が無駄にならないことで、飼育員さんの心持ちも全く違うとのこと。カーテンがないと、暖めた空気がどんどん出て行ってしまい、ひたすらに空気を暖めているだけのようで切ないそうです。

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 カーテンがピラピラしていたので、サイさん的にイヤかな~と考え、重しを付けました。

​ ちなみにサイさんたちが齧ってしまうのでは?という心配ですが、ロンさんが一度だけ少し齧りましたが、飲み込むことはなかったそうです。

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 カーテンは「L(エル)アングル」という器具で天井に取り付けています。天井にボルトとナットで固定し、サイさんが万一引っ張っても、レールが落下するのではなくカーテンが破れるような強度を確保しました。

​ すべて、飼育員さんの大浦さんが用意・実践したもので、感服しきりです。

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 「L(エル)アングル」の構造を裏側から見たところです。大浦さん、もはやホームセンターの店員さんのようですが、飼育員さんには必須で有効な能力・取り組みのひとつです♪

 ご覧の通りバックヤードには工具類もたくさん♪それについては5ページで紹介します。

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 のれんカーテン自体も、大浦さんがご自身で検索して見つけました。海外の動物園で使用しているものは厚さが約5mmと分厚いのですが、日本で手に入りやすい市販されているものは2mmか3mmが多いようです。

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 次に、加湿器(床の緑色の)と、温風機(奥の灰色の)です♪

​ この2機+カーテンにより、寝室の温度と湿度は快適に保たれています♪

 写っているのはローラさんです♪

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 この「サンレックスJr(ジュニア)」という加湿器は、構造がシンプルな点と、カルキの結晶ができることもなく、給水も不要で、維持が楽な点もオススメとのこと♪

 また、ホースで水を供給し続けても、大浦さんが押している白い部品(ボールタップ)で満水を維持する点が便利だそうです。

​ 筆者は早速、加湿器を求めていた他の動物園に情報をお伝えしました♪

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​ こちらの温風機は、灯油等ではなく電気で動くので、電気代はかかりますが、火災事故の恐れが低そうです♪

​ 万が一に備えて、全動物さん宅にスプリンクラーも欲しいところですね♪動物園は乾草などの燃えやすいものが多いので。

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 温風機は、温度が設定できて、その室温になると自動で切れる機能も便利だそうです。

 きっと様々な機器が販売されていると思いますので、それぞれの園館(土地柄)の、それぞれの動物さんたちに、合ったものを選ぶ工夫が有効です。

​ そして、そうした努力も、園館の評価対象になると、いろいろと変わってくると思います♪

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