ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第26回 金沢動物園 「寝室を快適に」
④オカピさんの寝室の工夫♪
オカピさんです♪キリンさんの先祖に近い動物さんで、コンゴ民主共和国の熱帯雨林で暮らしています。
金沢動物園(横浜市)では、2名のオカピさんが暮らして下さっています。
写真はトトさん(♂)です♪キィァンガさん(♂)との見分け方は、こちらをご覧ください。
オカピさんの寝室には、「おが粉」が敷いてあります♪木製の輸送用パレットだけを粉砕したもので、クギの混入や匂いがないのが利点です。
以前は、建築物の解体で発生する廃木材を粉砕したものを使用しましたが、塗料や接着剤などの化学物質の臭いがきつく、おが粉の製造工程の中、磁石で排除しきれなかったステンレスの釘の混入が多くありましたが、この輸送用パレットだけを材料にしたおが粉はそのようなことがほとんどありません。
寝室と運動場の間には、寒さ対策ののれんカーテンが設置してあります♪
こちらの固定用レールはクロサイさん宅ほどの固定強度が必要ではなかったので、市販品を活用。カーテンの取り外しができます。と言っても写真のように脚立を使って行うので、楽ではありません。
カーテンをビス留めするのではなく、このようにレールに引っ掛ける構造なので取り外せます。夏は外します。
オカピさんは何かを舐める行動をするため、木の柱に麻紐を巻いています。
「舐めると木の柱がすり減ってしまうからダメ」ではなく、「こうすれば好きなだけ舐められる」と工夫されているところが素敵です♪
このマイクロファイバータオルも、舐める用です。舐める行動用の選択肢が複数用意されています♪
写っているのはトトさんです♪
道具がきれいに洗って整理されています。飼育員さんが気持ちとプロ意識をこめてお仕事をされているのを感じます♪
サブの運動場です。銀色のポールを打ち込んで通路を作っているところです。
左奥の運動場で過ごして下さっているオカピさんが、右の寝室(白い扉の向こう)も活用できるようにします♪
こうすることで、限られたスペースで、オカピさんの数が増えた際に、「来園者満足(動物さんに会える)と動物福祉(寒い時に部屋に帰れる)を両立できるようにしている」そうです。でももちろん、動物さんに会えない=ガッカリではなく、「動物さんが好きな場所で休めてよかった」と思うことも「来園者満足」であると、付け加えさせて頂きます♪
担当動物さんのために「こうしたらもっと良いのではないか?」と考え、それを実行に移し続けて下さる飼育員さんたち(&それをOKして下さる上司さん)がおられると、本当に安心できます♪
サブ運動場にはスクイーズ式の設備もあります(通路の壁が動いて動物さんの動きを制限できるもの。スクイーズケージ)。ここでオカピさんをそっと挟んで、採血などを行なうものです。アメリカの動物園の施設を参考にしたそうです。
ですが、挟まれるのも嫌だろうということで、体重測定にのみ活用中♪体重は毎月測定しています。
さらに、トレーニングを重ねてレントゲンも撮れるようになっています。
運動場で、キィァンガさんの削蹄。大きな動物さんにとっては「健康は足元から」ですので、大事なケアです。
オカピさんは非常に人に馴れやすい動物さんだそうですが、キィァンガさんは今まで足を上げて持つことができませんでした。しかしながら毎日複数人で接する時間を設けていった結果、足を上げてもらい削蹄をすることができるようになったそうです♪
削蹄に使用しているヤスリです。大変に切れ味がよいそうです。同僚の飼育員さんがくださったそうで、そうしたつながりも、動物さんのケアに必須で有効であると、改めて思いました♪
それを可能にするコミュニケーション能力も、飼育員さんに必須の能力です♪大浦さんはその能力も高くて素敵です♪