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ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第27回 札幌市円山動物園 「本気のこれまでとこれから
⑮サポートクラブで「幸せ共有体験」
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 園館等動物施設はすべて、続けるにしてもたたむにしても、そのための力を付けるべく活性化する必要があると筆者は考えています。

 そしてオススメの活性策は、「動物さんとの幸せ共有体験」=「動物福祉向上の取り組み」+「その説明」+「それに参加できること」です。

 活性化(園館応援)に「参加」する方法のひとつが、「寄付」♪寄付するものは、時間・労力・お金・アイデア・情報・材料などが有効です。

 円山動物園の応援に参加する方法として、「サポートクラブ」というお金を寄付する機会が用意されているので、紹介します。

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 正門を入ってすぐ右の「動物園センター」に設置されている、自動販売機タイプの寄付。便利でいいですね♪

​ 園で暮らしてくれている動物さんの写真カードを500円で買うという形式で、寄付ができます。

​ 10口以上の寄付をする場合は、総合案内所で申し込むことができます。

​ 自販機のほうは、協賛して下さっている株式会社札幌振興公社さんからのオマケ(リフト割引券など)という当たりがある時期もあるそうで、ますます楽しいですね。

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​ 自販機での寄付をしてみたところ、エゾリスさんのカードが出ました♪裏に説明も書いてあります(生態やサポートクラブについて)。

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 寄付は、用途が明確なほうがしやすいので、このように具体的であることがオススメです。

 ちなみにこの、マレーグマさんの日よけは、2019年4月に募集を始めて、5月末で目標金額達成!2ヵ月で21万円を集めるとは、札幌市民を中心とする円山動物園のお客さんたちは、熱くて素敵ですね♪

​ 詳細について、園のHPで説明してあります

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 寄付で設置した日よけについて、詳しい報告が掲示されています。

 寄付で大事なことは感謝と報告ですので、有効な取り組みです。

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​ インコさんたちのお宅の緑化用資金も募集中ですよ♪

 緑化は、動物さんたちの福祉向上になるだけでなく、動物さんの美しさが際立ったり行動が多彩になるので、お客さんの利益も特大です♪

 ※その後の最新情報を広報さんにお教え頂きました♪

・ナナクサインコさんは亡くなったため、モモイロインコさんとカンムリシロムクさんのための緑化として募集。

→2019年12月15日、残り約3万円

→2019年12月27日に達成!

・新規募集中:ユキヒョウさん専用の体重計

→2019年10月3日、募集開始(目標額61万円)

→2019年12月、約35万円(残り約26万円)

・新規かつ達成した募集:アムールトラさん専用の体重計

→2019年10月1日、募集開始(目標額61万円)

→2019年10月2日に達成!!

 札幌市民の皆さん(または市民ではない寄付者さん)の激熱ぶり、感動です!!緑化も体重計も必須で超有効ですので、寄付者さん方は動物さんたちとの幸せ共有体験ができて素敵ですね♪そうした機会をこまやかに用意する園も素敵です♪

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 2015年4月1日から始まったサポートクラブ。これまでの実績が掲示してあります(動物園センター)。

 1ヵ月で60万円とは、すごいですね!

 筆者もよく寄付をするので分かりますが、自分が少しお手伝いをしたことで動物さんたちが喜んでくれると、とてもうれしいものです。まさに「動物さんとの幸せ共有体験」です。

 そしてまた寄付をしたくなるので、活用報告も超重要です。

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 第2回はシンリンオオカミさん宅の緑化ということで、これまた素敵♪

 筆者は寄付の橋渡し(サポーターさんからお預かりして園館に寄付)にも取り組んでいたので経験がありますが、寄付は受け取るほうも実は楽ではないのです。

 確認や書類や御礼などが細かく発生しますので、「少額だと面倒なだけなので、いらないです」と園館に言われたことも。

 しかしながら、資金が潤沢な園館は存在せず、たいがい非常に貧乏ですし、お客さんが寄付で「参加」する意義は大きいので、活用したほうがいいと考えます(手間の軽減と併せて)。

​ そして、寄付に前向きな園館は、そのための努力を見えないところでしているので、ますますの応援を♪

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 遊具も有効ですね。現在は日本の園館でも寄付の受付が広がり、Amazonの「ほしい物リスト」の活用も4園にまで増えています(大牟田市動物園・森きらら・日本モンキーセンター・千葉市動物公園)。

​ 園館が望む品々を、クリックひとつで寄付できるので、オススメです。

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 この、「差額の活用」も超大事。組織から見たら少額でも、寄付する側にとっては決して少額ではありません。ですので、放置せずに活用して頂けるとうれしいものです。

 園館側の、熱意や誠実さも感じることができて、寄付してよかったと思えることにもつながります。

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 園がこうした取り組みを誠実に前向きにしてくれることは、飼育員さんたちのモチベーションにも直結だと思います。

 各地の園館で多くの飼育員さん・動物専門員さんが自腹でこうした物品を購入しているのが現状です(給料が安い場合も多いのに)。

 動物福祉向上のために飼育員さん・動物専門員さんが必要と考えるものは、組織が買えることが本来の当然の姿ではありますが、現実はそうではないのですから、応援を楽しむこともオススメです♪

​ なんせ喜ばれますので、想像以上に楽しさや充実感があって、ハマる方も多いですよ♪

※円山動物園のサポートクラブのページはこちら

 以上、15ページにわたって円山動物園の動物専門員さん・職員さんたちによる、動物福祉向上の取り組みを紹介させて頂きました。取材と見学をさせて頂いた計5日間、本当に驚きと学びが多かったので、正直に書かせて頂きますと・・・円山動物園は、周知の通り、動物さんが亡くなる事故が続きましたし(しかも納得しかねる状況で)、現場でも疑問に感じる点が多く、もはや閉園が最善策であると筆者は考えておりました。しかしながら、2019年4月中旬に伺ったところ、ちょうど、新しく採用した飼育員さんたちが6名くらい園に来る日で、人員の入れ替えという、本気中の本気の改革に取り組んでいることを実感しました。そして、以前から奮闘し続けている本田さんや小林さんなどの中堅飼育員さんたちの熱意と本気度、それによってキラッキラしている若手飼育員さんたちを目の当たりにして本当に驚きました。しかも、本田さんたちが長年地道に取り組んでこられたことが、改革がまともな方向性になったことに大きく貢献していると知り、現場でよくよく伺ってみないと分からないものだなぁと反省しました。9月に再度伺った際には、本当にいろんなことが前進・変化していて、重ねて皆さんの本気を痛感しました。と同時に、僭越ながらまだまだな部分もありますし(例えば掲示物やSNS発信。それがあれば取り組みのすごさも知ることができるので惜しいのです)、人が入れ替わったということで、かなりの再スタート状態ですので、しばらくは改革の成果が明確に見て取れる状況とまでは行かないかもしれません。しかしながら、なによりも、円山動物園のような大きな園館がそこまで本気の改革に着手したという意義も、特大なのです。

 動物専門員さんや職員さんと話させて頂く中で、何度もその熱意と本気度に感動しました。円山動物園だけでなく、日本の園館の「これから」についても、本気で熱い想いをお持ちの方々がおられて、心底心強くうれしかったです♪

​ 札幌市円山動物園、大注目園ですよ!♪

<札幌市円山動物園に行こう!♪>

道外在住でも、新千歳空港から1時間ちょいで行けます♪

 

★開園情報

・夏期 3月1日~10月31日 9時30分~16時30分(最終入園は16時)

・冬期 11月1日~2月末日 9時30分~16時(最終入園は15時30分)

※最終入園は閉園時間の30分前まで

 

★休園日→休園日カレンダーはこちら(園のHP)

・毎月 第2、第4水曜日(祝日の場合は翌日)

・4月 第2水曜日を含むその週の月曜日~金曜日

・11月 第2水曜日を含むその週の月曜日~金曜日

・12月29日~31日

 

★交通アクセス

・地下鉄「円山公園駅」下車、徒歩約15分またはバスで7分(路線バス 動物園線[円15])

​・詳しくは園のHPをご覧ください

<執筆後記>

 2019年3月の飼育技術学会大会で久しぶりに本田さんにお会いし、猛禽類さんのことを質問させて頂いたり両生類爬虫類さんのご講演を拝聴し、マッハで現場に勉強させて頂きに伺いました♪その後、筆者の事情で記事制作までに間があいてしまったため、再度取材させて頂くというお手数をおかけしてしまい、大反省ですが二度も現場で勉強させて頂けて幸せでした♪

 ということで計5日間お話を伺わせて頂くという有り難すぎる状況の中で、一番、本田さんの本気度を感じたお言葉があります。本田さんはすでにいろいろな園館の相談に乗っておられますが(ボランティアで)、とある園館のこれからについて相談を受けた際に、「まず最初に閉園を勧めました」とおっしゃったことです。本当に本当に本気で考えれば、体力も意欲もなく既に不幸のスパイラルに陥っている園館は、閉園こそが動物さんと各立場の人などみんなの幸せと利益につながる最善策です。しかしながら、これを言うと嫌われますし、閉園など考えたこともない人がほぼ100%ですので、伝えてもスルーされます。私も機会あるごとに閉園を最初に勧めますが、耳を傾けた人はいません。そういう反応をご存知の上でその提案をされたということで、「ああ、本田さんは本気中の本気で園館と動物さんのことを考えておられるのだなぁ」と、心底感動致しました。

 同様に小林さんも、日本の園館全体のことも本気で考えておられて、非常に心強いです。そしてまだまだ何名も熱い動物専門員さんたちがおられる。さらに、以前に(動物専門員制度開始時に)飼育員さんから管理さんになった方の、「次は管理の仕事の取材に来てもらえるようにがんばります」というお言葉も、しびれました。管理さんの仕事も、動物福祉向上に直結する重要任務ですので♪

 ということで、円山動物園の皆さんの熱意と行動力があれば、私などもう引退していいのでは?とウキウキしましたが(笑)、それぞれに得意分野が違いますので、協力し合っていけたらいいと思います。

​ 私の事情により取材が2度にわたってしまい、大変に失礼いたしましたが、「もっと知ってほしい」という熱意で迎えて下さった円山動物園の皆々様、本当にありがとうございました!♪

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