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ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第27回 札幌市円山動物園 「本気のこれまでとこれから
⑭アジアゾウさんの福祉向上の取り組み・8「説明の工夫」♪
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 ゾウさんが暮らしてくれている建物(園の表記は「ゾウ舎」)の館内は、ゾウさんに関する説明がいっぱい♪

 ゾウさんの生態や能力だけでなく、生息地での危機や、園での福祉向上についても説明が用意してあり、とっても楽しく学べます。

 園館等動物施設は、動物さんたちのことをお客さんや世間に伝え、その発想と行動を保全方面に更新すること(保全教育)が任務です。

 その任務を果たして存在意義と持続性を創出するために、「説明」は絶対的に重要な存在なのです。掲示物・ガイド・イベント・SNS発信など、あらゆる手段での説明が求められます。

​ 模型も有効で、このゾウさん模型も大人気!模型とのツーショットでしたら、本物のゾウさんに負担をかけずに済みますし、好きなようにくっついて写真を撮ることで記憶にも残るので、何倍もうれしさと意義深さがあります♪

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​ なかなかマニアックなクイズもあり、興味津々で知識が深まります。めくるのもわくわくです。

 この素材は、丈夫でなおかつ、バターン!と音のしない静かなものでいいですね。

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​ 「タッチシアター」という手法の説明もあります。様々な手法で関心を喚起する取り組みが素敵です。

​ ゾウさんのうんこが森を育ててくれていることも、映像で楽しく学べます。

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​ ゾウさんの室内をのぞける小窓もあります。また違った角度でゾウさんを観察したり、ゾウさんとの様々な出会いが期待できます。

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​ 「円山動物園がゾウのためにできること」という掲示物もあります。これくらいの目的と本気度があって初めて、動物さんたちに人の手の中で暮らして頂くことの理由づけの第一歩が踏み出せます。

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 環境破壊や密猟などによる、アジアゾウさんの危機も、きっちり伝えています。非常に大事な任務です。

​ 人類全員の、象牙やパーム油製品に対する意識を更新するくらいの気合いで取り組む課題です。

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 右側の部屋の壁の一部が、PCウォールになっています。ケアに有効ですし、ケアの様子をお客さんに知ってもらうこともできます。ゾウさんたちの声なども聴くことができるでしょう。

​ と同時にゾウさんたちとお客さんの間の垣根が低くなるため、写真のように大きく明確に禁止事項を表記することが大事です。

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 PCウォールの説明もばっちりです。なんせごつい構造で、ゾウさんたちを閉じ込めている檻のイメージにもつながりやすいため、福祉向上のためのものなんだと知ってもらうこと自体にも意義があります。

​ 奥に見えているフィーダーは・・・

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 動物専門員さんが様々に工夫をして、いろいろなフィーダーを設置していますね。フィーダーの中には食べ物が入っています。

​ ゾウさん的には、「あれ?どうなっているのかな?」と考えて、探して、ゲットする楽しさがあります。

​ 下に用意された乾草(または乾草に隠したリンゴ)をゲットしようと、ゾウさんが鼻を出していますよ。

 ゾウさんも、観察する私たちも楽しい、ナイスアイデアです。しかも・・・

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 今日はフィーダーのどこに何を用意しているかの説明があるので、より楽しめます。

​ フィーダーの意図の説明も書いてあります。

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 準間接飼育についてもきちんと説明が用意されています。準間接飼育の良いところは、ゾウさんに対して完全非暴力をポリシーとしているところです。ゾウさんは、最も暴力をふるわれている動物さんのひとつですが(恐怖で支配するため)、そんな悲しいゾウさんに会う必要があるでしょうか?一生閉じ込められる上に暴力をふるわれるなんて、救いがなさすぎます。

​ 完全非暴力の手法が確立されており、当然ながら海外ではそちらが主流なのですし、日本でも数園の飼育員さん・動物専門員さんが非暴力方式の広がりに本気の熱意をお持ちですので、全力で応援させて頂きます♪

 ちなみに写真の掲示物のイラストは1点だけ間違えていて、飼育員さんが、ゾウさんの鼻が届く範囲で後ろを向くことは決してないです。あくまでもイメージということだとは思いますが、一応お伝えさせていただきます。

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​ ゾウさんのケアについて、掲示物と動画で説明♪動画は、棒でぶっているのではもちろんなく、「ここに足を出してね♪」という合図のためのターゲット棒です。

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 PCウォールの前からは、天井に準備されたフィーダーもよく見えます。

 このように、ゾウさんたちの魅力だけでなく動物専門員さんたちの取り組みを発見することも楽しくてオススメです♪

 円山動物園のゾウさん班の動物専門員さんたちの熱意と行動力は、日本の園館各所に変化をプレゼントして下さるものです。

​ そんな動物専門員さんたちがますます意欲と能力を発揮できるよう、応援あるのみです♪​

​ 発見した取り組みをネットに上げて頂きますと、遠方で現場に通えない筆者のような人たちも、知ることができてうれしくありがたいですので、ぜひお願いいたします♪

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