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ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第27回 札幌市円山動物園 「本気のこれまでとこれから
③両生類爬虫類さんの福祉向上の取り組み・3「実際の動物宅例その2」♪
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 トゲチャクワラさん。メキシコの固有種で、砂漠や荒れ地の岩場で暮らしている絶滅危惧種です。

 こちらのお宅も、一見すると選択肢が少ないように見えますが、実際には・・・

 乾燥がダメなので、ウエットシェルターを左隅手前に用意。ヤシガラ土に水を含ませると湿度100%になり、その中に入ると乾燥から逃れられます。

 さらに、週3回、雨が降ります(右の濡れている部分)。そうしないと脱皮すらうまくできないそうです。

 この水槽内も環境づくりができているため、砂を足すだけでOK。その砂はバンカー砂で、粒が揃っているため排水が良いです。

 明かりは、3段階のライトにタイマーをつなげて調整し、徐々に日没になる環境を再現。

​ さらに続く・・・

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 トゲチャクワラさん宅のバックヤードに貼ってある確認表。食事の頻度と内容を把握しています。

 トゲチャクワラさんは、状況を見ながら食べ物を用意しないと、すぐに太って死んでしまうそうです。

 ちなみにトゲチャクワラさんの英名は「エンジェル・アイランド・チャクワラ」。その由来は生息地の名称だそうですが、よく見ると本当に天使ばりにかわいいので、よく見てください♪

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 日本で暮らすお仲間、ニホンカナヘビさん宅です。これまた一見、これでいいのですか?!と思いますが、植物が自生し始めたところです。さらに、下記のような取り組みも。

 ニホンカナヘビさんは実は施設で暮らして頂くことが難しく、顔が腫れたりするとのこと。必要なビタミンAが、脂溶性なのでカロテンという形で食べ物に入っており、体内でビタミンAになることが期待されるのですが、ニホンカナヘビさんはこれができていないと本田さんは考えています。

 栄養剤を変えたら治ったのですが、「死んだらまた採取すればいい・買えばいい」と思わず、ここまで考え抜いて調べて実践で確かめて効果にまでつなげる動物専門員さんがいて、本当によかったです。

 さらにニホンカナヘビさんは施設内で命をつないで頂くことが一番難しいそうです。しかしながらこうした取り組みの成果で、円山動物園では何世代も続いています。

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 ヒガシニホントカゲさん宅。東日本やロシア極東で暮らしています。

 地元の植物であるマムシグサが自生しています。毎年、冬に枯れて春に生えるとのこと。それが室内でできているのは、すごいことです。

​ ヒガシニホントカゲさんを探す楽しみもありますね♪でも実はこの写真では、まる見えなところにもいます。

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 こちらがヒガシニホントカゲさんです。天敵に教われたときに、尾を切り離して注意をそらすという、スゴ技の持ち主です。

​ 混同されがちなカナヘビさんとの見分け方は、「ウロコがなめらかなほうがヒガシニホントカゲさん」です。円山動物園のサイトの写真で、ニホンカナヘビさんと比べてみてください。

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​ ヒガシニホントカゲさん宅には苔も自生しています。湿度や触感的にも福祉向上につながりそうです。

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 ビルマニシキヘビさん。カンボジア、インドネシア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、中国の、熱帯雨林や比較的乾燥した草原在住。絶滅危惧種です。

 くどいようですが選択肢が少ないように見えますが、もちろん本田さんがこういう環境にしたのには理由があります。

 まず枝がないのは、ビルマニシキヘビさんが地上で過ごすタイプであるためと、肌が傷つきやすいためです。脱皮の際に枝を使うので、脱皮前には用意します。

 さらに、必要な降雨と排水も、ばっちり用意されています(天井の上に配管が見えます)。温度勾配もあります。

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 ホウシャガメさんたちです。マダガスカルの南部で暮らす固有種で、絶滅危惧種です。

 お宅の植物は、マダガスカルのものを購入し、今ではお宅内で自生しています。

 ホウシャガメさんに大事なのは湿度。リクガメさん系は、水不足になると結石で死ぬので、雨の回数と空気中の湿度(気中湿度)をコントロールしています。

 本田さんが研究報告を読んだところ、乾燥系と言われるカメさんの湿度は実は70%を切らず、乾燥すると動かず穴に入るとのこと。実際、湿度が上がった時だけ動くので、「乾燥地域の動物さんは乾燥していない」という認識が必要だそうです。

 床材は、赤土とバンカー砂を混ぜることで、保水力はあるけれど夕方までには乾く状態をキープ。夜間に1回雨が降り、気中湿度が保たれるようにしています。

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 ホウシャガメさん宅の下部に設置されている、排水用の配管です。

 ホウシャガメさん宅の内部は、地面2ヶ所と水場に排水が設置されています(穴を開けただけだそうです)。

​ どの動物さん宅にも、排水と厚い床材があると、いい環境が作れるとのことです。

​ ちなみに本田さんはホウシャガメさんの専門員(日本動物園水族館協会)を兼任されていますが、密輸がすごすぎて困っているそうです。動物さんの魅力に理性が負けてしまったり、珍しい動物さんを使って自慢をしようとする流れに対し、そのようなことに頼らないでも十分に大丈夫な、自分の中の素敵ポイントにもっともっと気づく流れを推したいと思います。

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 マレーベニナメラさん。マレーシアとインドネシアの標高の高い山の森林在住。

 写真の方は、不調ではないのですが脱皮不全で、その原因は湿度。ミストが出てくるノズルの位置が悪かったそうで、湿度の数値だけ管理すればいいのではないという例です。

​ そして、こうした解明につながるまで観察と推考と実践を重ねることの大事さが分かる例です。

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 手と鼻の穴がかわゆいので私のイチオシ、ミツユビアンフューマさんです。アメリカの池・小さい川・湿地など在住。

 ミツユビアンフューマさんは冷やすことが絶対的に必要で、そのための機器が設置されています。

 また、ごはんを食べ過ぎるとすぐ死んでしまうので、食事内容は決してルーティンにせず、毎日観察してから決めています。

​ 今回の記事を書くにあたり、動物さんについて検索をかけると、多くのケースで「〇〇 価格」と販売の宣伝が出てきて切なくなります。動物さんに自宅で暮らして頂くということは、平たく言えば無謀なことです。幸せに暮らして頂くことはかなり困難です。安易に売っているからと安易に買わないことこそを、誇る流れも作っていきたいです。動物さんに会うならプロのいる園館で♪と言えるようになるよう、園館もますます応援せねばです。

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 モエギハコガメさん宅をバックヤードから見たところ。中国南部・ラオス・ベトナム・カンボジアの、森林などで暮らしています。絶滅危惧種なのに密猟・密輸が絶えない状態で、円山動物園でも保全に取り組んでいます。

 お宅内の床材は、砂に比べると大きめですが、バクテリアで糞も分解されています。そのためには、降雨による温度と湿度が必要なので、用意しています。

​ 植物も自生できています。

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