ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第15回 海きらら 「動物福祉向上の取り組み」③イルカさんの遊具づくりなど♪
イルカさんは、この大きさのバランスボールを割るパワーがあるそうです!
なので飼育員さんが布を縫ってカバーをかけています。最後は手縫いで仕上げます。
イルカさんのパワーと知能で破れた場合は、補強して活用を続けます。
飼育員さんて、本当にいろんなことができるんですねぇ!飼育員さんが努力されるほどに、イルカさんの福祉は向上するので、絶賛応援ポイントですね♪
この小さいボールは、イルカさんが遊びやすくて飲み込めない大きさを計算して、縫い方もいろいろ試して作りました!
白い布は、丈夫さを追求しすぎて、普通のミシンとハサミが通用せず、業務用のミシンとハサミを購入!
なんと、防犯グッズに使われる布だそうで(ナイフも通さないとか)、かなり高価だそうです。
他の布は5分ともたないそうですが、これは大丈夫とのこと♪いい布が見つかってよかったです♪
布は、より強いものを!ということで、大阪の業者さんとやり取りをして、最強の布にたどり着きました。
しかしながら布が丈夫すぎることで工場が音を上げ、なんと製造中止に!なんとかイルカさん用にと、数枚は購入できています。
協力して下さった業者さんにはお礼として、イルカさんがボールを満喫している動画を送ったそうです♪こうした気遣いが、非常に大事だと思います♪
そして、それほどまでに丈夫な布なのに、最後は手縫い!飼育員さんのがんばりが、イルカさんを幸せにしています♪そんなイルカさんに会える私たちのことも、幸せにしてくれています♪
このイカダ型の遊具は、余りもので制作。凝った作りなので手にマメができ、2日かかりました。
各部品は、イルカさんが齧れるほどに壊れてきたら、そこだけ交換します。
遊具を考える際は、イルカさんが遊んでいるのを眺めていると、「こういうのが面白いかも」と思い浮かぶそうです。
その後、絵に描いて、難点や材質を考え、脳内でプールに入れて危険性を確認。「想定外」はありませんし、あってはいけないと、肝に銘じています。
遊び方の想定外は、大歓迎だそうです♪
あえて「浮かない」タイプです。イルカさんのウケは、まぁまぁでした。
完全に無視された遊具もあります。それもまた貴重な情報として活用し、遊びたくなる遊具のアイデアにつなげます。
遊具を作る時間は、「1日15分」を積み重ねたりして捻出しています。
四角がくねくねする力作♪沈み具合の調節もできます。これはイルカさんに大ウケでした!イルカさんは、これの中を通って、くわえている遊具を引っかけることがツボだったもよう♪フニャフニャしていることも大事だそうです。
遊具には収納問題もありますが、これは小さく四角に折りたためます!飼育員さん、すごいです!
遊具の制作場所。施設管理の方が、道具や技術を貸して下さることもあります♪
右手前の立体バージョンはイルカさんにウケず、収納的にも場所を取り、引退(笑)。でも、「作るのが大変だったので捨てられない」というのも、人間味があって親近感がわきます。
「丸みをつけて転がせたら、使われるかも♪」というアイデアもあり、当分捨てられなさそうです。
こうした試行錯誤を果てしなく楽しめるか否かと、危険性の想像がどれほどできるかが、飼育員さんの重大要素です♪
動物福祉向上の取り組みとして、最も重要な要素のひとつが「食べ物」です。健康に直結ですので。
現在はサバ、アジ、サンマ、シシャモ、ウルメイワシ、コノシロ、オオナゴの7魚種!♪
海きららは土地柄、鮮度のいいものが安く手に入りやすいことや、イルカさんが2名だけなので業者さんが持っている数が少なくても使えることなどが奏功しています。
また、若い飼育員さんがこまめに業者さんに連絡を取る努力をし、業者さんもそれに応えて下さっていることも、背景にあります。
健康管理もきっちり行っています♪日々のトレーニングにより、写真のように体のチェックや体温測定や糞尿などの採取が、落ち着いてできるようになっています。
採取した糞尿は、大学に送って検査しています。
イルカさんが水中にいる状態でも行えます。
また、イルカさんにとっての重大要素である水にも目を光らせています。
水質検査は、簡易的なものを毎日、しっかりしたものを5日に1度実施。
水中の溶存酸素を増やす機械も増設。イルカさんの体調が如実に変化したそうです♪
5年にわたって海きららに伺っていますが、「日本一幸せなイルカさんにする」という想い、常に変わらずひしひしと伝わってきます♪
こんなにも動物と来館者を幸せにしてくれる飼育員さんたちがおられる水族館が近場にあるとは、九州や長崎県や佐世保市在住の方々がうらやましいです♪