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ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第15回 海きらら 「動物福祉向上の取り組み」⑥クラゲさんの環境づくり

 海きららのクラゲ班は、もはや「クラゲ研究室」です!

本当にそうした取り組みをしているので、「クラゲさんの福祉向上の取り組みとは?」という難題を問いかけさせて頂きました♪

​ クラゲさんの調子は、毎日見ているとすぐに分かるとのこと。「拍動の強弱」「食事の際に出る手で食欲判断」「食べ物を取ってもすぐ放してしまうのは弱っている」など。大勢のクラゲさんたちの状態を、毎日詳細に確認されているのですね!

​ クラゲさんは寿命も短く、治療もできないため、予防に力を注いでいます。一方で、クラゲさんの体が崩れ始めてしまっても、諦めずに考え抜くそうです。

 クラゲさんの福祉向上に直結の水質ですが、お魚さんよりも敏感で、常に新しい水が必要だそうです。薬剤も一切不使用です。

 明かりや水温は、それぞれのクラゲさんに合わせます。ただ、低い水温だと「小さいまま長生き」をするクラゲさんもいます。どちらが正解でどちらがクラゲさんにとっていいのかが、難しいそうです。クラゲさんは、まだまだ謎の多い生き物なのです。

 汽水域で暮らすクラゲさんの水は、同じ比重で用意。

​ クラゲさんたちが小さいので、仕事内容も微細なものが多いですが、毎日熱く取り組んでおられてすごいです!

 適正密度も、種類によって違います。生態が解明されていないものは、いろいろ試して一番いい道を見つけます。

 自分の触手が絡まっているのは、自然にほどけるそうです。

  各クラゲさんたちの本来の生活を確認する目的もあり、年に数回は潜水調査を行っています。

 このビンには、クラゲさんの赤ちゃん的存在であるポリプが入っています。

​ 飼育員さんそれぞれに担当ビンがあり、毎日観察とケアをします。

​ エキスパートであるリーダーさんは、100ビン担当していたこともあります。

 このようにライトで照らして状態を確認します。

​ 観察対象が非常に小さい上に照明を使うため、目が疲れそうですが、飼育員さんたちはがんばっています。

 飼育員さんが毎日観察とケアをしているポリプです。小さい粒に見えますが、フサフサになっていて、それが開くと調子がいいそうです。

 不調ですと、丸まったり閉じたりするので、その場合は水替えをします。

 調子に合わせて食べ物の量も変えます。元の量が「スポイトで1滴分」などですので、調整も大変そうです。

 こうした仕事を、ビン十数本分行うとは!

​ こうして無事にクラゲさんの形になったら、引っ越します。

 クラゲさんのお宅は毎日水換えを行いますが、水を移動させるのではなく、スポイトでクラゲさんが引っ越します。

​ 大量にあるクラゲさんのお宅を、毎日ですよ!でも、飼育員さんがそれをしてくれることで、クラゲさんは快適な環境で生活できます♪

 いきなり引っ越すのではなく、まずはカップに引っ越します。理由は2つ。

 ①引っ越し先の水温が違う場合に、慣れるため

 ②引っ越し先に水をジャーっと入れると気泡が発生し、それがクラゲさんの致命傷になるので、気泡が消えるのを待つ。

 こうしたこまやかなケアは、クラゲさんの福祉向上につながっていそうです♪

​ 室温も、クラゲさんに合わせて一年中20度です。少し寒い中でこまかい仕事に励まれているとは、ますます応援したくなりますね♪

 さらに、水槽で生まれた卵も、飼育員さんたちがケアをします。孵化後は、200名の赤ちゃんを毎日ケア!

 目がショボショボして頭がクラクラしそうですが、繁殖に成功することで、海からの採取量削減と、生態解明につながることもあり、努力されています。

 

 カギノテクラゲさんなど、海藻にくっついて過ごす生態のクラゲさん宅には、人工の海藻が用意されています。人工でも、クラゲさんは活用するそうです♪

 本物を用意しようと奮闘しましたが、光などが足りないことで溶けて水質が悪化してしまうとのこと。

 しかしながら決して諦めず、クラゲさんが自然に近い環境で暮らせる方法を、まだまだ模索しています♪

​ 飼育員さんが諦めてしまうことは、園館動物にとって最後の希望の光が消えることですので、諦めない飼育員さんたちでよかったです♪

 クラゲ班の皆さんに「クラゲさんの福祉向上の取り組み」というムチャぶりをしてお話を伺う中、「水質、水温などは聞いたし、あとは・・・」というところで、写真の飼育員さんから出た答えは、「愛情!!」(TT)。

 クラゲさんは軽視されがちですが、水族館で暮らしてもらうからにはちゃんとすべきであると♪イルカさん並みに、体調変化を見逃さないくらいの重視っぷりでと!

 この飼育員さんはイルカさんが好きで就職しましたが、クラゲ班になって9年、異動したいと思わないそうです。それほど没頭できるほど、興味深くてすごくて面白くて、そんなクラゲさんが好きとのこと♪

​ クラゲさんの魅力もすごいですし、飼育員さんたちの愛情もハンパないです♪海きららのクラゲさんたち、本当に大事にされていますよ♪

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