ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第15回 海きらら 「動物福祉向上の取り組み」⑤お魚さんの健康管理と伝える努力♪
動物福祉向上に必須である健康管理。お魚さんが飼育員さんに慣れていると、よりスムーズに行えます。
写真のウシエイさんもヒラメさんも、飼育員さんが体に触ることができる関係性を築いています♪
ウシエイさんは食べ物を手渡しする時に、口の中を確認することも可能です。
ウシエイさんのお母さんです。尾の先をケガしています。普通なら他の水槽に移すところですが、それもストレスなので、水中で治療することに♪
塗り薬を試しましたが粘液で着かず。飲み薬を2種類、2ヵ月間飲んでもらい、治ってきたところです。
こちらのクエさんは、口の中とエラを飼育員さんに触ってもらうのが大好き♪
クエさんに限らず、飼育員さんを認識してなつくお魚さんは多いそうです。
魚類班のリーダーさんに「お魚さんの福祉向上」について伺うと、「魚も、なつくし、マッサージを喜んだりするし、物覚えも良くて賢いんですよ♪皆さんが哺乳類に対して持つイメージと変わらないくらいに思ってほしいです♪」と、熱く止まらないほどです♪
お話を伺って、お魚さんに対するイメージが変わりました♪
3名いるアオウミガメさんは、エコー検査と血液検査を毎月実施。
アオウミガメさんが自発的に協力してくれるハズバンダリートレーニングまでは行っていませんが、水中で実施するように配慮しています。
アオウミガメさんも、物覚えが良いそうですので、そのうちハズバンダリートレーニングができるかもですね♪
イシちゃん(右のイシガメさん)は、なぜか人が大好き♪水槽前の人に近づこうとしてくれます。特に子どもが好きだそうです。
そして、人を眺めるのは好きだけど、人に持たれるのは大嫌い。
それぞれの生き物に関して、そうした情報を飼育員さんたちが逐一把握していることが、素敵だなぁと思いました♪
生き物一名ずつに、個別の福祉向上ポイントがありますので♪
飼育員さんたちは、ボラさんのことを「ボラさま」と呼んでいます♪
理由は、お手伝いをしてくれるからです。「砂地・アマモ場」水槽で、ボラさまはアマモの表面をつついています。そうすると葉の表面の藻が取れて光合成がちゃんとできるようになるのです。藻の重さで倒れて枯れることも防げます。
さらに、砂の有機物もつついてくれるので、きれいになるそうです。
ボラさまの活躍を伺うことで、ガゼン興味がわきました♪
よく観察すると、魅惑のクチビルがとってもキュート♡結構こちらを気にして見てくれるのも、うれしいです♪
魅惑のクチビルの撮影に挑み、粘って観察し続けることでますます好きになりました♪
もっとキュートな瞬間もあるので、皆さんもぜひ撮影に挑んでみてください♪きっとボラさまの魅力にハマりますよ♪
いわゆるタッチプールに掲示されている説明2種です。素晴らしい説明です!!タッチプールは、動物福祉向上に逆行するものです。
「動物と一緒に幸せになる楽しさを知る」という保全教育の面から言っても、「生き物を道具にして遊んでいい」と思う人を増やす逆教育です。園館等動物施設は、民営であろうと保全教育施設です。その根本に逆行することは、自ら存在意義と持続性を危うくすることでもあります。
飼育員さんたちが様々な対策を行なっていますが、生き物に負荷がかかることは避けられません。
大人として、「生き物を道具にして遊んでいい」と思う子と、生き物に負荷をかけないことを良いと思う子、どちらを育てたいのか、一度真剣に考えてみる時が来ています。館内で行う「生き物に触れてみる」は、「子どもに自然体験をさせてあげたい」とは全く違うことですし。また、「思いやりを育む」ことは、子どもだけでなく大人にも必要なことです。
タッチプールをやめた水族館に聞くと、「なきゃないで、なんてことない。クレームもない」と答えます。私もそう思います。同様に考える来館者が増えることで、運営側としても安心して廃止できます。
私にとって、日本一お世話になっていて多大なるチャンスと勇気を頂いている海きららにこのようなことを書くということは、自分の首をしめることかもしれません。しかしながら、黙っていることが恩返しだとは思いません。それに、海きららはすでに日本一の水族館ですが、その先が永遠に続くのですから、果てしなく向上を目指して頂きたいです。そしてそれができる水族館であるからこそ、正面きって書かせて頂きました♪
最後にもう一度書きます。お魚さんに負荷をかけて喜ぶのではなく、お魚さんと一緒に幸せになる楽しさを体験しませんか?海きららの飼育員さんたちは、その取り組みにまい進して、見せてくださっているですから♪