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ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第15回 海きらら 「動物福祉向上の取り組み」⑦クラゲさんの食事準備と展望

 動物福祉向上の重大要素は食べ物!ということで、クラゲさんの食べ物について♪ものすっごいミクロな世界で飼育員さんががんばって用意しています!

 クラゲさんの食べ物は、「アルテミア」という微小なエビさんです。その孵化から現場で行ないます。

 写真は、孵化したアルテミアさんと卵の殻を分離しているところです。殻が口に入ると消化不良になります。光でアルテミアさんを集めて、別のビンに吸い出す作業を2回行い、殻を除去します。

​ 見ているだけで気絶しそうなこまかい仕事ですが、アルテミアさんの孵化~殻の除去まで、毎日繰り返して、クラゲさんにとっていい食事を用意しています♪

 このオレンジ色の点々がアルテミアさんです!殻との区別は私にはつきません!超ミクロ!

 さらに、アルテミアさんを少し大きく育てて、口がしっかり開いたところで栄養素を食べてもらって用意する「強化アルテミア」という、クラゲさんの食べ物もあります。

 さらにさらに、朝と夕方では、孵化するように用意したアルテミアさんの数が違うので、スポイトで吸い取った中身の濃度が違います。

​ 量の多寡も重要で、多いと食べ過ぎて重くなって沈み、残滓にまみれてご他界することも。

 こうしたことをすべて考慮・準備した上で、クラゲさんに届けます。ですので、若手飼育員さんに伝えるのが最も難しい仕事のひとつだそうです。

​ 強化アルテミアさんを海水で洗っています。こうすることで酸素を入れ、窒息を防ぎます。クラゲさんの食事、手間がすごすぎです!

 翌朝にアルテミアさんが孵化するようお湯に浸け、お湯の温度がまんべんなく一定になるよう、ブクブクで循環・・・孵化前からこの手間!

 しかしながら、面倒がって手を抜けば、如実にクラゲさんの健康に影響が出ます。

 リーダーさんは、ニコニコと穏やかながらもクラゲさんに関することは厳しく、諦めないそうです。なので飼育員さんがクラゲさんの不調の原因追求を8ヵ月も続けて、原因に気づいたことも。

 諦めないことが当たり前になっていて、素晴らしいです♪

 専門書や論文の数々を読んで勉強しています!クラゲさんの生態はまだ解明されていない部分も多いので、海外の論文もがんばって読んでいます!フランス語の辞書まで買ってトライしています!

 今年、中国で開催された国際クラゲ会議にも参加♪大変、勉強になったそうです♪

 さらに普段から京都大学などの専門家たちとも協働しています。

​ 本当に、海きららのクラゲ班は「クラゲ研究室」なのです♪

 今後の展望は、クラゲさんたちのより良い環境づくりです!

 現在の技術では、クラゲさんだけが透明のケースに入っていて、不自然だしオブジェ視されがち。でも、本来の、海での暮らしは全く違いますし、クラゲさんの魅力炸裂ぶりも違います。

 ということで!本来の環境に近づけるべく、奮闘中です!まずはお魚さんとの同居を模索し、タコクラゲさんとゴマハゼさんの同居がバックヤードで成功中♪

​ これだけでも大違いで、グッと魅力がアップしていますよね!♪

 夢はでっかく、「クラゲさんの大水槽」!♪写真はお魚さんの大水槽ですが、この規模で本来の環境を再現し、そこで暮らすクラゲさんたち・・・絶対に観察してみたいです!♪クラゲさんの人気度を考えますと、収入的にも名案だと思います♪

 クラゲ班の皆さんも、すでにいろいろ試されています♪難関は、「岩や砂に当たってダメージを受ける」「排水に吸い込まれる」「海藻が育たない」などですが、もちろん諦めていませんよ♪

​ そんな皆さんの熱い展望と日々の奮闘を、ぜひ時々思い出して、飼育員さんとクラゲさんの応援を楽しんで頂きたいと思います♪

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