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ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第7回-1 大阪市天王寺動物園 「動物も人も幸せにする仕事」:チンパンジーさん宅とクマさん宅の、朝の準備♪

 今回ご紹介するのは、大阪市天王寺動物園でホッキョクグマさんなどを担当している、下村さんです♪その熱意と行動力と心遣いで、動物も人も幸せにしてくれている飼育員さんです♪平成22年に念願の飼育員さんになって7年、すでに動物園業界内外で非常に高く評価されていますが、本人はそうした特別視を一切望んでいません。「当然のことをしているだけです。自分にできることをし、研鑽をつんでいるだけです。」とのこと♪この「当然」ができるからこそ、みなを幸せにできるのだと思います♪その実際をお伝えしたくて、今回も長くなりましたが、ぜひご覧ください♪ (12ページ/2017.1.5 up)

 この日最初の仕事は、代番(本担当さんがお休みの日の担当)をしている、チンパンジーさんの準備♪

 チンパンジーさんたちにきちんと挨拶をした後、運動場で安全確認とおやつ隠し(チンパンジーさんたちのお楽しみ用)♪

 そしてチンパンジーさんたちが運動場に出てきた後は、室内組のケアも♪動物も、一緒に過ごさないほうがハッピーな場合も多く、でも運動場がひとつしかないので室内組が出てしまい、ケアが必要なのです♪

 朝からいきなり、やること満載ですが、ケアすることで、チンパンジーさんの幸せ度はアップすると思います♪

​ 各種クマさんたちが暮らしているお宅に移動。こちらも代番仕事です。下村さんの本担当は、ホッキョクグマさん・ヒツジさん・ヤギさん・エミューさん・ラクダさんです♪

 クマさんたちにも声をかけます♪動物たちにとって、一番近くにいる飼育員さんとのこうしたコミュニケーションは、非常に大きな意味があるので、大事なことです♪

 クマさんたちが自分の意思で前向きに運動場に出られるよう、「外に出たらリンゴが食べられる♪」という、「うれしいこと」を用意しています♪

 乱暴な、または事務的な態度や言葉で追い立てて出す方式より、前向きになれる状況が用意されているほうが、もちろんクマさんたちは幸せです♪

 こうして、前向きな気持ちで外に出る習慣が形作られているので、出なかった場合には、「体調が悪いのでは?」と気づくこともできます。

 下村さんも、とにかく動物を出発点として仕事の内容を考えられる、「動物本位の仕事」を実践している飼育員さんです♪

 下村さんに一日密着して驚いたことのひとつに、「無線の多さ」があります。ただでさえものすごい仕事量な中、かなりの頻度で、無線で用事が入ります。

 その無線に毎回、大変に丁寧な物腰と口調で対応していて、心底感服しました♪

 この日も早速、ホッキョクグマさん宅にゴミが落ちているという無線が入り、それを回収しに来たところです♪

 来園者が教えてくれたそうで、気軽にそうした通報ができる環境は、動物も助かりますし、来園者も安心できて幸せです♪

 ホッキョクグマさん宅のバックヤード(寝室側)。戦前の建物という大変なる苦境にもあきらめず、出来る限りの努力をされています♪

 取材時はまだ、バフィンさん&モモちゃん親子がいる時でした。この日はまずは親子が運動場に出ました。高齢のバフィンさんにはムリを強いず、「出たがらない場合はその理由を探ります」という仕事のしかたが、感動的でした♪

 動物に無理をさせることは、動物はもちろん、それを見る来園者も辛いものです。そうではない、動物も来園者も幸せになることに力を尽くす仕事は、飼育員さん自身と園の経営をも幸せにします♪

 ホッキョクグマさん宅には、若い女子のイッちゃんもいます♪でも運動場はひとつしかなく、狭い寝室で過ごさねばならない方が出るので、様々な工夫を行なっています♪

 遊具を用意して、少しでも運動になるようにしたり、遊具への反応から、健康状態の確認も行います♪

 写真はハズバンダリートレーニング(ハズトレ)を行なっているところです♪動物に強制するのではなく、動物の意思で、健康チェックができる姿勢をとってもらい、健康管理ができるようにするものです♪

 ハズトレは大変に地道な動作の積み重ねで形作ります。飼育員さんはちょっと大変ですが、動物にとっては、押さえつけられたり繋がれたりする恐怖や苦痛がないですし、いいヒマつぶしになって楽しそうです♪

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