ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第15回 海きらら 「動物福祉向上の取り組み」①イルカさんと遊ぶ♪その1
ついに、私が日本一の水族館だと考える、海きららの登場です!正式名称は「西海国立公園九十九島水族館 海きらら」です(長崎県佐世保市)。日本一だと思う理由は、社長さん・館長さん・飼育員さんをはじめとする職員さんたち全員が、前向きに仕事をされているからです!奇跡の水族館です!しかも「厳しさと温かさ」の両方が社風としてあり、職員さんたちの「意欲と能力の発揮」につながっています♪伺うたびに皆さんの輪に入れて頂きますが、いつでも非常に温かい雰囲気で感動します♪と同時に、自分たちに「生き物を閉じ込めることで仕事をさせてもらっているんだから、生き物の幸せのためにできる限りのことをしなければいけない」という厳しさを課して、その実践にまい進されています。
そんな、素晴らしい皆さんによる「動物福祉向上の取り組み」を取材しました♪イルカ班・魚類班・クラゲ班、それぞれに膨大な努力を日々されておられるので、全てご紹介とはいきませんが、少しでもお届けできればと思います♪
(全8ページ/2017.12.27 up)
まずはイルカ班による取り組みです♪海きららは巨大水族館ではないため、環境に恵まれなくても、諦めずやさぐれず、本当に「日本一幸せ」の道を爆走しています!しかも決して、慢心も満足もすることなく!そんなイルカ班の皆さんによる、イルカさんたちの福祉向上の取り組みから、ご覧ください♪なお、「動物の幸せ」については「答えがない」とよく言われますが、ないからこそ追い求め続けることが、答えに近づくことになると私は考えています。
海きららのイルカ班では、イルカさんたちと遊ぶことが「非常に大切なこと」としてしっかり認識されています♪
遊ぶことで、イルカさんの気晴らしと運動になり、心身の健康にいいからです。
さらに「遊び」のいいところは、「イルカさんの自発性によるもの」という点です(人が指示して動かすのではなく)。心や頭や体の動き方も違うでしょうし、「イルカさんたちが望んでしていること」だと、安心して眺められます。
飼育員さんが手作りした遊具を運んできましたよ♪どうやって遊ぶのでしょう?
イルカさんが乗って遊んでいますよ♪イルカさんが自分からこういう形になって、「きゃ~つかまっちゃった~♪」と楽しんでいるようです♪
海きららで暮らしてくれているイルカさんは、ハンドウイルカのニーハさん(奥)とナミさん(手前)です♪
この写真で、飼育員さんと担当動物は、同じ表情をしていると気づきました。飼育員さんが暗い顔をしていたら、動物も暗い気分になります。それよりも、こんなふうに同じ笑顔で過ごすほうがいいですね♪
ちなみにこの遊具は、イルカさんが引っ張って遊びます(飼育員さんが乗った状態でひっぱることも)♪さらに、これに飼育員さんが乗ってイルカさんを追いかけたり♪
遊具の浮力や水の抵抗などにバリエーションを持たせるべく、これは「沈められない」もテーマだそうですが、イルカさんのパワーで沈めていたこともあるそうです。すごい!
さらに違う遊具が登場!イルカさんのケアに「手と目と時間をどれだけかけられるか」と考えているそうです!そして、これでもまだまだ少ないとのこと。
「プログラム(トレーニングの成果を披露する時間)」も「遊び」も「飼育員さんがいない時間」も、「すべて楽しく過ごしてほしい」「特にフリーの時間(イルカさんだけで過ごす時間)をいかに楽しく過ごせるか」を重視されているとのこと♪
そこで、「自作遊具の用意」と、それで遊ぶという意識にもつながるであろう「飼育員さんと遊ぶ時間」に力を入れています♪
全員笑顔!飼育員さんたち、体勢的にはキツイと思うのですが、キツそうな表情・言動・態度は絶対にしません♪
それどころか、テンションの高低は相手に伝わるので、「楽しいね!」というテンションと思いをきちんと表現されていて、敬服します♪
もちろん何も考えずに遊んでいるわけではありません。「遊び」を通して、手や気配の出し方などの経験を積むそうです。「遊び」は飼育員さんにとって一番の近道で、「ありがたいチャンス」でもあるとのこと♪イルカさんに対する敬愛の想いが伝わってきます♪
「トレーニングの時間と同じくらい、遊びの時間も大事。 トレーニングも遊びもイルカの意志を大事にしている。 どんな時もイルカを楽しませるために何ができるかを 考えている」
そうした想いだからこそ、非常に寒い日でしたが冷たい水にも躊躇なく手を入れて、ボールを沈めてイルカさんを遊びに誘ったり♪
飼育員さんたちが遊具に積極的に関わるからこそ、その遊具がイルカさんにとって、より価値あるより楽しい存在になっているように感じました♪
キャッチボールも大好き!このように「遊ぶ時間」としてがっちり関わる他にも、通りすがりにイルカさんが投げてきたらキャッチボールをすることも♪そうすることで、イルカさんにとって飼育員さんがより期待できる楽しい存在になっているようです♪
ちなみに、イルカさんたちは来館者ともキャッチボールをしてくれることがあります♪ボールの勢いの強さに、イルカさんの筋力のすごさを実感します。
水中からイルカさんが見られる場所で、ビデオを流す工夫もしています。他のイルカさんや動物・自然などの映像ですが、一番興味を示すのは、自分たちの映像だそうです。
遊具と飼育員さんが減る夕方のヒマつぶし用に考案したものですが、授乳の映像を流したら参考にするかも?というアイデアもあります。