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ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第11回 横浜市立よこはま動物園ズーラシア 「ゾウさんのためにしていること」
④床におが粉(その2)

 動物宅での自然物活用を提案すると、かなりの高確率で言われる反論が、「排水口が詰まるから、イヤ」。

 では、ズーラシアのゾウさん宅における、おが粉活用はどうしているのでしょうか?

 写真が、排水時の様子です。おが粉を避けて水洗いした後です。

 おが粉は流れ込まないようになっているので、時々、手で排水口表面のおが粉をどかす手間は必要になります。

 「この手間がイヤだからおが粉をやめる」のではなく、ゾウさんたちがおが粉を満喫できるように、飼育員さんが努力して下さっています♪

 排水時の排水口の様子です。おが粉が流れ込んで詰まったりしないよう、飼育員さんが業者さんに相談して、特注品を作ってもらいました♪

 これがその特注品です♪ゾウさんたちがおが粉を満喫できるようにするために、業者さんに相談までする飼育員さんの情熱が、形になったものです♪

​ 側面の切り込みは、ゾウさんが引っこ抜かないようにするための工夫です。

 排水直後の様子。飼育員さんの古田さんは、2015年にドイツの10園をまわってゾウさん宅の勉強をし、そこで見た「砂モリモリの寝室と運動場」をズーラシアでも再現したいと、ずっと話していました♪

 園でなにか新しいことを始めるためには、動物・飼育員さん・来園者の安全確保、同僚の同意、上司の許可、素材と予算の用意など、多くのことをクリアする必要があります。

​ それでも諦めず、実現に向けて地道に一歩ずつ進んできて、ついに形にしたのだなぁ・・・と、心底敬服しました!♪

​ 来園者の皆さんからは見えない場所ですが、こうした飼育員さんの努力を時々でも思い出してください♪

 特注品は、ゾウさんの知能とパワーをもってしても、引っこ抜けないように工夫されています。

 ということは、引っこ抜くためには道具と手間が必要で、写真のようにペンチで回します。

​ ゾウさんチームの皆さんは、もはやこうした手間を、手間とも思っていない感じで、心が震えます♪

 掃除で濡れた後の排水溝やレールは、手作りの網で掃除します♪

 また中腰・・・どの仕事も本当に真剣にされていて、仕事量は多いのに、一日があっという間に感じました♪

​ 一方で、非常に楽しそうにも働いていて、充実の様子がまぶしかったです♪

​ 手作りの網♪レール掃除で大活躍していました♪これは、以前いた職員さんが作って下さったそうです♪

 掃除終了後に、おが粉を広げます♪少量に見えても、力のいる仕事です。

 ゾウさんのためにおが粉を用意するということは、実際にはこれだけの仕事を必要とするのだなぁと、実感しました。

 でも実際に毎日この仕事をしている飼育員さんたちは、「手間だからやめよう」ではなく「量を増やしても大丈夫かな?♪」「衛生面を考えて夏季は中止して秋に再開しよう」などなど、考えること・実践してみることをやめません。(海外の園と違い、寝室の構造的におが粉を大量に敷くことができないことで汚れやすいそうです。)

 そんな飼育員さんたちのおかげで、ゾウさんたちのハッピー度もアップしますし、そうなったゾウさんたちに会える私たち来園者もハッピーです♪

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