ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第14回 大牟田市動物園 「動物福祉を伝える」⑤キリンさんの福祉向上(フィーダーなど)♪

キリンさんを担当している飼育員さんの作業スペースには、塩ビ管がいっぱい!
これでキリンさんのために何を用意するかと言えば・・・

フィーダーです♪中に、食べ物(ペレットなど)を入れて、動物宅に設置するも のです。
野生動物は本来、食べ物を探すことと食べることに時間をかけます。それを少しでも園内でも再現して、「退屈な時間を減らす」「頭や体を使ったり心が動いたりする」ことが、目的です。
すべて、飼育員さんの手作りです♪作るだけでなく衛生管理も必要となるため、飼育員さんの仕事は増えます。応援ポイントですね♪

ごはんを簡単に得られないよう、複雑な構造にします。
これは、動物によっては自然界での食事の苦労とはズレる部分も出ます(例えば「歩き回って探す時間が長い→食べ物を見つけた後はそんなに苦労しない」という動物など)。ですので、あまりに難度が高いと却ってストレスになり、加減が重要です。
だからと言って、「何もすることがない」よりは、「動物本来の行動を少しでも再現できて、頭と体と心を使う機会があったほうがいい」というのが、フィーダーの存在意義です。

運動場に設置されたフィーダー。設置数が、1個と5個では、キリンさんの行動はどう変化するのか、データを取っているそうです。
大牟田市動物園の飼育員さんたちは、データを取ることが習慣になっていて、本当にすごいです♪
同様に実践するには注意点もあります。データを取ることが目的になってしまうと、実践がスローダウンして動物を付き合わせることにもなるので、データを取る余裕がある上で(人員数など)行うことも大事です。大牟田市動物園の飼育員さんたちはチーム体制なので、その余裕があるのでしょう♪
また、「データが取れないから選択肢増設をしない(この選択肢増設は評価に値しない)」は、本末転倒です。動物本位で考えることを常に忘れずに。
データの話は次の写真でも続きます。

大牟田市動物園の飼育員さんたちがますます素晴らしい点は、データを取る「目的」です。もちろん、選択肢増設の効果を確認して改善に活かすことが第一ですが、そのほかに・・・
「この工夫(選択肢増設)で、このように変化があったと数値化することで、他園館にオススメしやすいから(他園館が実施しやすくなるから)」!!
自園のことだけではなく、日本の園館全体のことまで考えて行動できる大局観を持っている飼育員さんたちは、なかなかいません。
写真は、寝室にフィーダーを設置しているところです。これだけがんばって用意しても、キリンさんはたった10分で完食してしまうそうです。
でも、それでも効果はあります♪舌をより使うようになったことで、鉄柵をなめる行動がなくなりました(動物園のキリンさん、よくしていますよね。本来の行動ができないので、置き換えています。)

キリンさんの運動場で見かけたこれは・・・増設したゲートの部品が危険だったので、カバーを付けたものです。
動物だけでなく環境もこまやかに観察ができて、危険に気づくことができて、対策を実施することができる・・・飼育員さんたちには本当に多くの能力が求められます。

キリンさんは、現在はペアを分けています(まだプリンちゃんが小さいため)。
このように、ペアや仲間を分けたり一緒にしたりする仕事は、動物同志の相性や感情による事故の可能性もあるため、慎重を要します。
キリンさんの運動場を仕切るゲート(写真)には、飼育員さんの要望で工夫が施されています。
さまざまな事態に対応することを予測して、ゲート内に飼育員さんが待機できる空間を作ってあるのです。こうすることで、キリンさんと同じ空間に入らなくても開閉ができます。
こうした予測ができて、それによる要望が通って形になるということが、園館では非常に有効です♪

キリンさんに関する展望は、まだまだ先があります♪本来の生活に少しでも近づけるよう、お宅を増築して仲間を増やす予定です♪
このようにゴールを設定することは、そこまでの道のりが明確になり、迷走度が減るので有効です♪
また、動物福祉向上の計画を持つことで、「動物がかわいそう」という意見に対して、説明できるようになります。
さらに、大牟田市動物園は、動物福祉向上のためにも、動物の種類を減らすという世界最先端の方針を持っています★ですので例えばキリンさんなど、園が力を入れる動物を絞って、お宅増築などに励むことになります♪
このような「多種沈鬱より一種イキイキ」の実現こそが、園館に魅力と存在意義を創出します♪
こうして「動物と人が一緒に幸せになる楽しさを知ることができる」現場が増えることで、世間の意識も変わっていくのだと思います♪