ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第14回 大牟田市動物園 「動物福祉を伝える」⑥ライオンさん&トラさんの福祉向上♪

ライオンさんのハズバンダリートレーニングです♪尾から採血すべく、獣医さんが毛を刈っています。
ここに至るまでに、「バリカンの音に慣れる(遠くで作動させることから)」といった手順を、行動分析学に則って積み重ねてきました。
だからライオンさんは落ち着いてごほうびを満喫できているんですよ♪現在は週に2回採血しています。
さらに大牟田市動物園の飼育員さんたちは、ハズトレによる採血の論文まで執筆・発表しました!

ハズトレの効果は、健康管理だけではありません。例えばライオンさんの場合、「寝室にスムーズに帰ってくる」ようになります♪
食べ物で誘導するのが早いからと、日中ほとんど食べられない状況にする手法が一般的です。大牟田市動物園のライオンさんは、運動場で食べる量のほうが多いですが、ハズトレにより自分の意思で帰ります。
寝室に戻ってもらうにあたり、「絶対に追わない」「体罰も使わない」ことに、誇りをもっています。
そのために、「帰りたくなる寝室にする(改善)」「帰らない時は待つ」「データを取って、帰らない原因を探る」などの取り組みも行っています★

大牟田市動物園では、ハズトレをイベントとしても活用しています♪(ハズトレ自体はほぼ毎日実施)
動物福祉向上の取り組みを伝えることができますし、大変に興味深いので、来園者にも大人気です!
月・木がライオンさん、火曜がツキノワグマさん、水・金がキリンさんです♪
園のパンフにも告知がありますが、手書き看板も魅力的!人の脳は、手書きのように少しゆがんだものに反応するそうですから、効果も大きいと思います♪

ライオンさん宅(小さいほう)に、食べ物を設置する飼育員さん♪
狭いからと諦めずに、丸太・砂地・枝・土堀箱などいろいんな選択肢を増設!さらに食べ物を各所に置くことで、「探して得る」楽しさも増設しています♪
動物本位で、できることを考えて、皆でやってみることは、楽しいことでもあります。
大牟田市動物園の飼育員さんたちは、私がこれまでに見た国内外247施設中、世界一すがすがしい表情で仕事をされています★
動物福祉がコンセプトであることと、飼育員さんたちの日々の努力が、飼育員さんたちをも幸せにしているようです♪
動物と人はこんな方法でも、一緒に幸せになれるんですね♪

寝室にも丸太が設置されていて、実 際にライオンさんが活用しています♪
その意図と効果を、イラストつきで分かりやすく説明した看板があります!
動物に対する興味や理解は、人の数だけレベルが違うので、このような、興味が持てて非常に分かりやすいものが、まずは必須で有効です♪

さらに、動物に対する興味や理解が進んでいる来園者むけに、このように 詳しい説明も必須で有効!
来園者が動物に出会って興味を持った時=大チャンスに、情報を伝えられる説明(掲示物)があることが非常に大事なのです。そうして動物への興味や理解を深めてもらうことが、園館の任務なのです。

大きいほうの運動場は、木がモリモリで素敵!♪緑の中のライオンさん、ますます魅力的です♪
このように木々が生い茂る環境も、飼育員さんによる努力で実現しています。切ったほうがいいと考える立場の方々に、意義を説明して温存したそうです。いろんな立場の意見があるのは当然のことですので、説明して理解を得る努力が重要です♪
写真のリラさんは、落ち葉で遊ぶのが大好きだそうですよ♪

ライオンさんが変わった行動をしたとき、飼育員さんと獣医さんがすぐに録画して記録開始!
そしてその場で動画の交換もし、翌日の朝一番には、ライオン班の他の飼育員さんも情報を共有済みでした!
こうした、チーム体制や情報共有などが、非常に活きている現場だなぁと、毎回感服します♪
もし私が園館動物だったら、こんなにも観察と考察と実践を続けてくれる飼育員さんたちに、担当してほしいなぁ・・・と思いながら、この写真を撮 りました♪

トラさん宅も、来るたび選択肢が増設されています♪ヤグラもスロープも立派!!
さらに、寝室への通路も活用しています♪この通路は「シュート」と呼ばれるので、寝室開放ならぬ「シュート開放」ですね!
このトラさん(ホワイティさん)は非常に繊細なので、隠れ家的な空間として気に入ってくれているそうです♪ワラを敷いて居心地の良さもアップ♪
表から見えなくもない場所で居場所増設が可能なので、「シュート開放」、オススメだそうですよ!

閉園後の動物たちを想像したことがありま すか?閉園時間~開園時間までと考えても、実に16時間半を寝室で過ごすことになります。
しかも、日本の園館の寝室は圧倒的に狭いため、動物福祉向上の手段として「夜間開放」があります。夜も運動場と寝室を行き来自由にするのです。
動物が脱走したり侵入者に危害を加えられる心配がない構造の場合、より安心してこの取り組みが行えます(たとえばオリだと安心度が高いですね)。旧弊視されることが多いオリですが、利点も多いんですよ♪

そして「より知ることができる」掲示物も!♪
さすが大牟田市動物園、この件に関しても、「検討・実施・観察(データ収集)・検証・継続・分かりやすい説明・より深い説明」のフルコース♪
こうすることで、「動物福祉を伝える」が実現します♪「動物と一緒に幸せになる楽しさを知る人」を増やす、保全教育となるのです♪

ホワイティさんは非常に繊細で、動揺しがちなので、運動場に出た直後に食べ物を渡して「運動場=大丈夫な場所」というイメージを持ってもらっているところです。全ての行動に意図があります★
飼育員さん曰く、「繊細だからこそ、取り組みをします。放っておくのではなく。」とのこと♪
大牟田市動物園の飼育員さんたちのすごさは、「決して諦めない」「決して満足しない」です★
ただひたすらに、「どうしたらこの動物はよりよい毎日を送れるか」を考え続け、勉強し続け、実践し続けています★
だからこそ、園が活性化して人気急上昇するんです♪