ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪
第14回 大牟田市動物園 「動物福祉を伝える」
③キリンさんの福祉向上(ハズバンダリートレーニング)♪

キリンさん宅です。狭さにめげず、ハズバンダリートレーニング(ハズトレ)による健康管理に励んでいます(説明看板もあります)♪
ハズトレとは、「動物に協力してもらうことで心身に負担なく健康管理などを行うためのトレーニング」です(園のパンフより)。
暴力や拘束などの強制が一切なく、動物がそうしたくなるように形作ってゆく点も素晴らしいです♪
また、地道に丁寧にトレーニングを形作っていく中で、担当動物と飼育員さんの関係性が、より良くなるという利点もあるそうです♪

ハズトレの内容や目的など、「説明されなきゃ分からないけど、説明されれば分かる」人がほとんどですので、説明大事です♪理解すると、より興味がわきますし♪
水曜・金曜の15時~は、来園者向けのイベントも兼ねて、説明つきで行っています★(ハズトレはほぼ毎日おこなっています)
ハズトレにより、キリンさんには、採血・血圧測定・削蹄・測温・レントゲン撮影(四肢)・体重測定・聴 診・静脈注射を行うことができています♪

測温しているところです。お尻に体温計を入れても平静でいられるよう、刺激にひとつずつ慣れてもらうなどして、ここに至ります。
顔の近くにいる飼育員さんは、キリンさんに「今している行動が、正解(してほしい行動)だよ」と伝えるために、ペレットを渡しています(このキリンさんが普段の食べ物の中で一番嗜好性の高いペレット)。
でも、ただペレットを渡せばできるわけではありません。行動分析学に基づいて、動物と一緒に作り上げていきます。
健康管理がしたい人間の都合で動物に付き合ってもらっていますが、動物にとっても、良い刺激やヒマつぶしになっています。ハズトレが好きな動物が圧倒的に多いです♪写真のリンくんも、すっかり慣れています♪

おすすめの体温計。7秒で予測が測れ るので、動物の負担が少なくて済みます。実際の計測との誤差も小さいそうです。
この日の体温は37.71度でした。文献の値より低いそうですが、リンくんの平均体温からは少し高めとのこと。このように、目の前にいる動物の変化をすぐに確認することができます。
ちなみに血圧は尾で測り、採血は首からします(月1回)。

削蹄(足のヒヅメを削ること)をする際に、キリンさんが足を乗せる台です。
大型動物は特に足が命ですので、ヒヅメが伸びて変な歩き方をして足を痛めないようにします。
少し見える空間は、レントゲン撮影の際に撮影板を入れる場所です。リンくんの両前足の骨が少し変形しているため、跛行(歩行異常)のモニタリングをしつつ、3ヶ月に1度レントゲン撮影をしています。

リンくんのヒヅメ。このように三角形になっているのが、本来の形です。
下方に伸びて台形になったり、前方に長く伸びたりすると、歩き方に影響し、足を痛める原因となります。
「健康は足元から!」ですので、いろんな園で動物のヒヅメにも注目してみてください♪

キリンさんの削蹄の道具。小回りがきいて便利だそうです。
そして背後に見える、道具と材料の山!♪飼育員さ んたちの熱意と行動力が伝わってきます♪



大牟田市動物園のハズトレの取り組みは非常に有名なため、「飼育の基本である動物観察よりハズトレを重視しているのでは?」という疑惑を持たれることがありますが、完全なる誤解です。
ハズトレは、動物をよくよく観察しなければできません。強制ではなく動物の自由意志で行うのですし、試行錯誤を積み重ねます。どちらも、動物の観察ができていなければ不可能です。
もちろん普段から観察に励んでいます。写真は、寝室に帰る際に目の前を歩くので、歩き方に異常がないか観察しているところです。
寝室の砂も、観察に活用。砂についた「夜間の行動の痕跡」を観察することで、異常がなかったかを確認します♪
キリンさんは足を滑らせて事故につながることもあるため、床材は砂がおすすめです。
足の負担を軽くすべく、クッション性のよさを重視して、「水はけがよくて固まりにくい砂」を使用。
それでも固まるので、毎日スコップでほぐします。大変ではありますが、「動物福祉」の追求は「動物本位(動物ファースト)」が基本です。
それを理解し、それを求めている飼育員さんたちですので、いつも非常に楽しそうに仕事をしていて、キラキラしています★
だからこそ、動物と園と来園者もイキイキして、活性化しているのです♪
リンくんと飼育員さん♪リンくんは、「キリンとのふれあい体験」(土日祝)では、来園者の近くにも来てくれます。
しかしながら当然、ふれあえるか否かはリンくん次第、リンくんの自由意志です。
なのでふれあえない場合もありますが、説明すればクレームはないそうです♪
「リンくんがイヤになったら、終わり」という方式も、「そのほうがいい」と来園者が言うそうです♪
「動物福祉を伝える」の効果で、来園者の意識が育っている感じですね♪