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ZOO AQUA STORY☆ by つまき♪

2016.10.15 up

第4回-1 大牟田市動物園 「ライオン班の仕事で見るこの園のすごさ」:
園の見どころ+ヤマアラシさん~ライオンさん♪

 大牟田市動物園(福岡県)は、いま日本一熱い動物園です♪施設がリニューアルしたのではありません。むしろ大変に古い建物ばかりです。しかしながらそうした状況でも決してあきらめず、内容的にも来園者数的にも右肩上がりの成長を続けています♪私が考えますに、その基盤となっているのは、「熱意とコミュニケーション能力がある飼育員さんたち(獣医さんも含む)」です★何年もかけて、園長さんが地元や日本各地からそうした人材を集めたり、飼育員さんが互いに育て合ったりしてきました♪そうした人材に加え、「動物福祉の向上」と「伝えることを重視する」という最強の方針があることで、大いに花開いているところです♪

 ①「動物園で暮らしてくれている動物たちの福祉向上に取り組むこと(そうして動物のハッピー度が増えたことを皆で共有して、「一緒にハッピーになる」ということを体験できるようにすること)」②「そうした取り組みや、動物のことを伝える」は、これこそが動物園等動物施設の役割であり、存在意義です★

 そして、こうした、飼育員さんとして存分に活躍できる環境の効果と言ったら!私は、国内外251ヵ所の動物施設を巡っていますが、大牟田市動物園の飼育員さんたちは、もっとも晴れ晴れとした表情でうれしそうに仕事をしています★全国各地の飼育員さんが、大牟田市に転居してでもこの動物園に就職したがるのも、よく分かります♪

 私も、あまりの飼育員さんの晴れ晴れとした様子に、その理由をもっともっと知りたくなり、取材に行った1ヶ月後に、また取材に行きました(毎回関東から飛行機に乗って!)♪今回の内容は、その3日間の取材の中から、分かりやすい写真を選んでいる関係で、飼育員さんの服装が時々変わります。

 「動物福祉の向上」と「伝えること」を方針として、熱心でコミュニケーション能力のある飼育員さんたちが存分に能力を発揮すると、どういう毎日の園になるのか・・・今回もさらに長いですが、ぜひご覧いただきたいと思います♪(全11ページ)

 大牟田市動物園の取り組みを象徴する掲示が、入口近くにあります♪「ハズバンダリートレーニング」(以下ハズトレ)とは、動物の健康管理をするためのトレーニングです♪動物に強制するのではなく、動物に協力してもらうようにするトレーニングで、動物が自分の意志で定位置についたりします♪押さえつけたりしないので、動物と人への負担を軽減しつつ、採血・体温測定・口腔内確認などができます。

 ハズトレは、まさに、動物福祉の向上に有効な手段なので、大牟田市動物園では全飼育員さん(以下、獣医さんも含む)がその習得に励んでいます♪

 そして、そのハズトレをイベントとして来園者に伝える努力が、また突出して素晴らしい点です♪来園者にとって、飼育員さんがなにかしているのを見るのは大変に興味深いことです。しかも、動物福祉の向上につながる内容ですので、一緒に幸せ気分になりつつ、学びにもつながります♪

 大牟田市動物園の発信力の素晴らしさを物語る掲示板♪園内でも魅惑のイベント満載ですが、フェイスブックでも実に熱心に発信されていてしびれます♪

 また、「伝える」を重視しているということで、「情報公開」も方針となっています♪つまり、「後ろめたいことをしてしまったとしても公開せねばならない=後ろめたいことができなくなる=後ろめたいことをしなくていい」のです!だからこんなに飼育員さんたちの表情が晴れ晴れしているのかなぁとも思います♪素晴らしい方針です★全国の園館に採用してほしい方針です♪

 ※「園館」=動物園や水族館や観光施設など、動物が人の手の中にある施設全般のことを指します(このサイトでは)

 では、ここからは飼育員さんの1日の仕事に沿ってご紹介♪今回密着取材をさせて頂いたのは、ライオン班(伴さん・小野さん・齋藤さん)の、伴さんです♪

 伴さんは、ハズトレや研究や動物宅への選択肢の増設など、動物福祉の向上に熱く取り組んでいます♪

 この日は朝礼の後、まずはヤマアラシさん宅へ♪ライオン班はライオンさん以外にも複数の動物を担当しています。

 ヤマアラシさん宅の裏側です。建物が旧式で、動物宅も作業スペースも狭いですが、様々に工夫をしています。この建物では、ヤマアラシさん・コンゴウインコさん・キツネさんが、それぞれの部屋で暮らしています。

 まずはヤマアラシさん宅を軽く掃除。本格的な掃除は後ほどまたします。どこの園館も同様ですが、飼育員さんの仕事量は多いので、それぞれに段取りを決めてテキパキこなします♪

 狭くて古いなどの恵まれない状況でも、誰も見ていなくても、決して腐らず手を抜かず、心と力を込めて作業する姿に感動します♪

 そしてライオンさん宅へ♪なんと、靴底の消毒をするだけでなく、中と外で長靴を変えます!限られた空間で毎日と一生を送る動物たちに、菌などによるダメージのないよう、徹底して配慮しています♪

 密着取材している私も毎回履き替えましたが、正直、大変にめんどうです(^^;)。それを毎日真摯な気持ちで実践している飼育員さんたちに、本当に頭が下がります。

 しかも、はき間違えないよう、中用と外用で長靴の色を変える工夫も光っています♪

 そしてひたすらにカギ!飼育員さんの仕事はこまかい動作の繰り返しも多くて、見ているだけでも疲れるほどですが、この「カギをかける」という動作も非常に多いです。

 しかも中にいるのはライオンさんですから、万が一にも外に出るようなことがあってはならないのです。人も危ないですし、ライオンさんが射殺されてしまうかもしれないからです。

 ということで、何重にも設置されているカギを、ひたすらに開け閉めしながら移動します。ここからは、ライオン班の小野さんも加わり、2人で指さし確認もします。

​ あさひ君は飼育員さんに興味津々♪園館で暮らす動物にとって、飼育員さんは数少ない「近くにいる生き物」ですし、自分の幸不幸を握る希望の光ですので、存在意義は重大です♪

 ライオンさんが寝室から運動場に出るよう、ゲートを開けます。たてつけにガタがきているので、ものすごい力がいります。まだ朝の9時過ぎですが、もう汗をかいていました(3月ですよ!)。

※動物宅の屋外のことを、「放飼場」ではなく「運動場」と言う理由:私は「人に使わない言葉は動物にも使わない」を実践することで、無意識に下に見ている動物への意識を対等なものへと変えたいので、「飼育する」という言葉を使いません。「飼育員さん」は、あまりに普及している職業名なので、今のところはそのまま使用しています。何かいい新名があれば教えてください♪

​ 運動場に出て行くあさひ君♪この時、無線でライオンさんの移動を逐一、事務所に報告していました。事故なく仕事が進んでいるかを、事務所も確認する仕組みです。そういうことが必要なくらい、緊張感の求められる仕事でもあるのです。

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